「当初のデモは民衆の行動だったが、一部過激分子が武装路線に転じたことで、反体制派は民衆の支持を失った」 いったいどこからの情報か、不思議でならない。前述したように、反体制派の一部に問題があるのは事実だが、反政府軍の主流は現在も地元の有志軍であり、しかも志願兵は今も増え続けている。 反体制派の一部には、確かに捕虜の即時処刑を行った部隊もあるが、それと政府軍が正規の作戦として市街地や住宅地を空爆するのとは、少なくとも戦場では同列ではない。住民への空爆など言語道断で、弾圧される側のシリア人でアサド政権に怒りを覚えていない人などいないだろう。アサド政権打倒は、大多数のシリア人の願いなのだ。 現場取材できずに中立を保つ日本メディア 日本では現在、シリア問題に関する言説が、一部例外はあるものの、ほぼ以下のような構図になっている。 ・現地取材経験者や現地に政府機関系以外の人脈のある人 → 反アサド ・ア