前回は、IDEF1XによってER図を記述する方法について説明しました。ER図によって記述された概念モデルは、基本的に特定のデータモデルを意識したものではありません。 したがって、概念モデルをリレーショナルモデルとして適切な形式に変換する必要があります。これは、データベース設計においては論理設計の段階にあたります。今回は、概念モデルからリレーショナルモデルに変換する手順について説明します。 多対多の関連 概念モデルでは実体間を多対多の関連として記述することができます。たとえば、「顧客が製品を注文する」ということは、図1のように「顧客」と「製品」という実体間を「注文する」という関連として記述することができます。 図1 「顧客が製品を注文する」の概念モデル このとき、顧客は複数の製品を注文し、製品は複数の顧客から注文されるということであれば、「注文する」という関連は多対多となります。 しか