世の中はどうやらアイドルブームらしい。アイドルと呼ばれるグループが続々と生まれ、アイドル雑誌やら新書やらが続々と刊行され、一般メディアでもアイドルであることが肯定的文脈で使われる。かつての“冬の時代”を知るものとしてはいまだに信じられない気分だ。15年前の自分に今の状況を聞かせても絶対に信じないと思う。 だが、ブームと言うものは必ず終りが来る。 今は持ち上げているメディアやレコ社や流通が、どれだけ冷淡で愚昧か、冬の時代を生き抜いてきた我々は知っている。 あの者どもは風向きが変わるやいなや、持ち上げてきた手のひらをくるっと返して、彼女らを突き落とし、自分たちはホトケのような微笑でいけしゃあしゃあと善人面をさらして生き続ける。そしてアイドルたちは存在することすら許されなくなる。 そうならないために、アイドルブームをブームで終わらせないために、できることをしていきたい。 それは何かといえば、ひと