俺は今30手前で、東京で暮らしてる。 最近はお盆休みに、地元に帰省するかどうかで迷ってる。 幼馴染が結婚したって話を聞いた。なんていうか、複雑な気分だ。 今でも覚えてるのは、小学生のときの夏祭り。田舎なのに、その夏祭りは結構規模が大きくて、一大イベントだった。 でも俺は人混みとか騒がしいのが苦手で、みんなが楽しそうにワイワイしてるのを見てるだけだった。 あのときも外れのベンチで一人座って休んでた。楽しそうにはしゃぐ同級生の姿を見て、キラキラしてて、一種の憧れみたいなものを感じてた。 でも、ああいう世界とは縁がないんだって、自分に言い聞かせてた。 そんなとき、幼馴染である彼女が来たんだ。 「増田くんも一緒にお祭りまわろうよ」って微笑んで、手を差し伸べてくれた。 あの瞬間、彼女の浴衣姿が漫画みたいに本当に輝いて見えた。 今でもあの時の彼女の笑顔と浴衣姿をはっきり覚えてる。 あれが俺の人生のピー