それでは、部分社会論をはじめて取り入れた判例として重要な、村会議員出席停止事件(最大判昭和35・10・19)を見てみましょう。 (1)事案 平成の大合併は、記憶に新しいところですが、昭和の大合併というものが行われたことがあります。これは昭和28年ごろから、36年ごろに行われたもので、第2次大戦後、新制中学校の設置管理、市町村消防や社会福祉など、新たに市町村の事務となったものが増えたことから、その負担に耐えうるよう、市町村の規模を拡大することを図ったものです。 このために、町村合併促進法(昭和28年)、さらに新市町村建設促進法(昭和31年)が施行され、市町村の合併が推進されました。 現在、平成の大合併によって新潟県村上市の一部となった、旧山北町(当時は、岩船郡山北村)も、昭和30年に、黒川俣村・八幡村・大川谷村・中俣村・下海府村が合併してできたものだったわけです。 なお、岩船郡は、古代の大和