これは、K-POPアイドルによる「日韓」(以下、カギ括弧省略)の歴史にかかわる言動などが話題になるたび、日本のK-POPファンからよく発せられる言葉である。 現在の日本社会でK-POPを聴くことは特別なことではないが、それを聴く日本人のなかで、どれほどの人が日韓の歴史について考えているだろうか。「歴史と文化は別だから」という言葉にあらわれているように、歴史は無視して(意図しているか、していないかにかかわらず)、楽しく音楽を聴いている人たちが多いのではないだろうか。私もかつてはそうだった。 そんな状況に対し疑問を投げかけたのが、私が大学で所属していた学部ゼミナールのメンバーと共同で執筆した書籍『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』(大月書店、2021年)である。日本の韓国文化ファンにとって身近なK-POPや韓国ドラマに触れながら、日韓の歴史とそれに対する日本人の向き合い方を学び、考えるための