「雲」が存在する惑星は地球だけではありません。天文学者たちにとって、地球の雲は観測の邪魔になりますが、他の惑星にある雲は観測の対象になっています。 水蒸気でできている地球の雲と異なり、金星の雲は細かな硫酸の滴でできています。金星を覆う雲は厚く、可視光・赤外線では金星の地表を観測することができません。かわりに、雲の形を観測することでわかることがあります。 金星の自転は非常にゆっくりで、金星の1日は地球の117日にあたります。一方で、金星の大気はたったの4日~5日で金星を一周します。この現象は「スーパーローテーション」と呼ばれています。また、金星の自転方向(この画像では右から左)は太陽系の他の惑星とは反対向きですが、その理由はまだ分かっていません。 このすばる望遠鏡が撮った疑似カラーの赤外線写真は、4日間におよぶ雲の表面の温度変化を示しています。赤は熱い領域、青は冷たい領域です。この変化は金星