洗髪台がなく、切った髪を掃除機のような装置で吸い取るカット専門店。低料金で人気を集めている=宇都宮市で 最近、町でよく見かけるようになった「十分千円」の文字。懐が寂しいサラリーマンにとってはありがたい存在の格安ヘアカット専門店に、洗面台の設置を義務付ける自治体が増えている。衛生面の向上を目的としてすでに四割近くの都道府県が条例化し、本県の理美容業界も県議会への働き掛けを検討している。ただ、狙いは衛生面だけではないようで、関係者からは「洗面台がない格安店の規制では?」との指摘も出ている。 (小倉貞俊) これまでに条例化したのは埼玉など十七道県。半数近くが理美容業者の組合から請願を受けたものだ。最近では群馬県が先月、新規の店に洗髪設備を義務付けるため年度内にも条例改正すると表明。山形など複数の県でも導入に向けて動いている。