母が認知症であることが発覚してからしばらくがたつ。幸いなことに薬で進行が抑えられているのか、日常生活はどうにかこなせている。 数年前(発症前だ)に家族の反対を押し切って、勝手に南房総の自立生活型ホームに入居してしまったのだが、施設のサポートがしっかりしていて、近くに有名な亀田病院もあるので、遠方にいてもそんなには心配な状況ではない。ただ、本人も寂しがるし、病気のことも考えて、1ヶ月に1度は顔を見に行くようにしている。 今回は2ヶ月ぶりくらいになってしまったのだが、ゴールデンウィークということもあり、姉の家に2日ほど泊まってもらっていた。 今日は家(南房総)に送る日。 朝、娘が話しかけてきた。 「リー(娘の名前。自分のことをこう呼ぶ)、明日休みだし、今日予定していた生徒会の集まりが無くなったみたいだから、一緒に行ってもいいよ」 「本当? それは助かる」 「うん。じゃあ、おばあちゃんが退屈しな