能登半島地震は、正月の一家だんらんを奪った。揺れで崩れた土砂の中から、救助される家族を待つ人がいる。ビニールハウスに避難し、身を寄せ合う家族がいる。被災地は8日、雪景色の中、地震から1週間を迎える。 ビニールハウスやお寺の広場、保育園……。能登半島地震の被災地で、住民が自主的に集って生活する「自主避難所」が増えている。こうした拠点は行政の支援が乏しく、寒さや水不足にさらされる被災者の疲労はピークに達しつつある。 「地域の絆で耐え抜いてきたが、そろそろ限界だ」。会社員の道下貴寿さん(65)は先が見通せない避難生活の窮状をこう訴える。