平成23年度のセンター試験の現代社会での円グラフに関する問題について批判的に検討する。この問題においては、円グラフの説明で、「データの構成内容や、全体における構成比を、最も分かりやすく示すことができる」と書かれている。しかし、実際のところ、円グラフは構成比などが、人間にとって非常に分かりづらいグラフであり、この説明は不適切である。 はじめに 2011年1月15日(土)と1月16日(日)に、平成23年度の大学入学者選抜大学入試センター試験が行われた。1日目の1月15日(土)に出題された現代社会では、第2問の問5でグラフに関わる問題があった。この問題は、ある事例をグラフ化するときに、折れ線グラフ・円グラフ・レーダーチャートのどれを選ぶのが良いかを選ばせるものである。 その問題では、円グラフの説明として、「データの構成内容や、全体における構成比を、最も分かりやすく示すことができる」と書かれている