ふたりで一緒にいてこんなにも淋しいなら、ひとりで淋しいほうがよっぽどましだ。 そう思って、長くつきあった恋人のもとを離れたことがあります。何をどうやっても結婚願望のケの字もない彼に、ずっと悩んでいました。一番好きな人がとなりにいるのに、どうして私はこんなにも空虚な気持ちを抱えているのだろう。悩みに悩んだすえ「そうか、私はこのひとがとても好きだったけれど、一緒にいればいるほど『自分はこのひとの大切なひとではないのだ』ということも、何度も何度も繰り返し感じて自分を傷つけていたのだな」という思いに至りました。 その当時、私は彼の気持ちや愛情という、目に見えないものを信じていたつもりでした。いえ、正確にいえば「信じたかった」のだろうと思います。そして実際は「気持ちがないよね」「愛情がないよね」ということばかりを繰り返し相手の一挙手一投足から読み取ろうとする、疑いのまなざしに満ちた日々だったのではな