奇跡の年だった1979年。その掉尾を飾ったのが『ルパン三世 カリオストロの城』だ。公開は1979年12月15日。劇場版『ルパン三世』の第2弾であり、宮崎駿初の劇場監督作品。誰しもが名作と認めるタイトルである。快楽原則にのっとって作られた娯楽作であり、とにかく見ていて心地よい。見せ場に次ぐ見せ場。名セリフに次ぐ名セリフ。話の進め方もスピーディ。また『未来少年コナン』同様に、キャラクターが身体をはった軽業的なアクションを披露。まんが映画的であり、ヨーロッパの古城を舞台にし、囚われのお姫様を救い出すという古典的なプロットを含めて、東映長編の香りもする。物語の主軸となっているのは、中年男となったルパンと、清楚な姫君であるクラリスの関係性だ。クラリスは宮崎監督の少女への想いが結晶となったようなヒロインであり、ルパンには明らかに監督自身が乗り移っており、純情な熱血漢となっている。 勿論、アニメとしての