『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』について、もう少し続ける。この映画のパンフレットに「手塚治虫は語る“火の鳥2772”はファンタジーだ!」というコメントが掲載されている。これは公開前年に宣伝用に作られた小冊子「火の鳥2772ニュース」から転載したものであるようだ。 (略)なによりもこの映画で強調したいのは、物語りの面白さもさることながら、アニメ本来の面白さを見せたいですね。 オルガは場合によっては特撮でも、主人公のゴドーもなんかでしたら実写でもできますが、火の鳥・3匹の宇宙人は、アニメじゃなきゃできません。この作品をフル・アニメでやる意義もそこにあるわけです。この作品をSF・ロマンのひとつとして「ヤマト」「999」とくらべるのは大きな間違いです。 この作品の狙いはファンタジーなのです。路線としては「やぶにらみの暴君」の系列に属するものであり、SFとして評価されたくありませんね。(原文ママ