朝スッキリと目が覚めない。目が覚めても疲労感が残っている。眠ろうとしてもなかなか寝付けない。夜中にトイレで目が覚めてしまう――。睡眠に関する悩みを持つ人は多いが、睡眠の科学研究が進めば、こうした悩みも解決する日が来るかもしれない。今回は、熱中症を予防するために、熱帯夜でも睡眠の質を高めるためにどうすればいいのかについて、日本睡眠科学研究所所長の野々村琢人氏に解説していただこう。 夏の熱中症は4割が夜間に発症! 今年の夏も相変わらずの猛暑が続いている。気温が25℃より下がらない熱帯夜も珍しくなく、「よく眠れない」と悩んでいる人も多いのではないだろうか。 夜になると屋外の気温は下がるが、建物の中では昼間たくわえられた熱が壁や天井から放出されるため、意外と気温は下がらない。冷房を適切に使わないと、寝苦しくなるだろう。 夏の熱中症の4割は夜間に発症しているという報告もある。睡眠中は、不快感やだるさ