日本三名城の一つとして知られる熊本城は、平成28(2016)年4月14日21時26分、2日後の16日1時25分に熊本地方で発生した最大震度7の地震で、甚大な被害を受けました。 多くの人が熊本城の無残な姿に心を痛めました。なかでも“奇跡の一本石垣”としてマスコミにも大きく取り上げられた飯田丸五階櫓(やぐら)には全国の目が注がれました。 あれから3年、熊本城はどうなっているのか? 熊本城総合事務所首席審議員津曲俊博(つまがり・としひろ)さんに熊本城の史跡保護と復興状況について伺ってきました。 熊本城再建のシンボルのひとつでもある「飯田丸五階櫓」の倒壊防止工事には、一本石垣にかかる櫓の重量が約17t~18tもあり、多くの困難があったといいます。 「飯田丸五階櫓は、五階建てと平屋の櫓がL字型でつながって石垣の上に建っており、今回の地震で南面の石垣が崩れたのです。しかし、南東角の一本の石垣だけが残っ