FEVER fuh(ふぃば) この夏の体験をどう言葉にすればいいのだろう。僕にとっては大きな経験だったけれど、おそらく世間的には特に珍しくもない青春の一コマだ。 今年の夏、僕はやりたいことをやりたいようにやれる人間になれた。自分のやるべきことに、全身全霊で打ち込める方法を学んだ。今後も苦しみや困難には何度も出くわすだろう。けれど少なくとも自分のやることに迷い、悩むことはないはずだ。自信がある。 あれから三ヶ月がたった。記憶は昨日のように生々しい。あの時僕の中で起こった変化を、僕は今も明瞭に思い出せる。感情が明確な輪郭を持って息づいている。 でも経験を語ろうとすると、指先が鈍る。的確な言葉が見つからない。結局はどうとでも解釈できる表現でしか、この体験を書き記せないと悟る。 要するに僕は「大人になった」のか。 だが「大人になる」とはなんだろう? 本当に「大人になった」か? そのとおりなのかもし