【和気真也】出版不況やオンライン書店の成長の逆風下、「sweet(スウィート)」や「別冊宝島」を出版する宝島社が、とくに女性誌の分野で高いシェアを維持している。快進撃の背景には徹底して書店販売を重視する独自の戦略がある。 東京・新宿駅近くにある東急ハンズ新宿店。駅からの連絡通路で結ばれた2階の入り口近くに、14日まで「宝島社書店」が開かれている。ピンク色の看板や布で彩られた特設コーナーに、アパレルブランドなどと共同開発したバッグやキャラクターグッズが飾られ、それらが付録になった書籍が並ぶ。 書籍の売れ行き全体が鈍り、ネット書店との競争に敗れて閉店する書店は増えている。書店データを調査しているアルメディアの調べでは、12年5月1日時点の全国の書店数は1万4696店で、この10年で2割強減った。一方で、出版科学研究所によると、12年の書籍や雑誌の市場規模は前年比3・6%減の1兆7398億円で9