食材や調理のプロセスを分子レベルで捉え、新たな美味しさを追求する「分子調理」。分子調理は「科学を使った調理である」と漠然とわかるものの、実際はどんなことを行っているのだろうか。分子調理で使われている代表的なテクニックを紹介する。 ◎瞬間凍結 (写真:http://www.molecularrecipes.com/より) 白い煙がモワモワと立ち上がるような派手な見た目で有名なのが、「液体窒素」による瞬間凍結だ。窒素は、私たちが普段吸い込んでいる空気の8割を構成しているように、常温では気体である。しかし、マイナス196℃よりも低温になると液体になる。この液体窒素の中に食材を入れると、食材を一瞬にして凍らせることができるのだ。 冷凍庫などで食材を凍らせる場合は、時間がかかるかつ、氷の結晶が大きくなって細胞が破壊されたりすることで、食品の品質が変化する。一方、瞬間凍結では、氷の結晶が大きくなるヒマ