変分法って要するにこれだけ 多電子原子の状態や分子の結合の問題をシュレーディンガー方程式を使って解いてみたいのだが,複雑過ぎて簡単には解けない.そこで,昔から知られている幾つかの計算手法やその問題点について学ぶところから始めることにしよう.そのために,まずは変分法から説明しておくのが良いと思う.他の近似解法を使うときに当たり前のように使われるものだからだ. ハミルトニアンというのは系の全エネルギーを意味する演算子であり,次のような計算をすればエネルギーの期待値が求められる. もしがちょうどの固有関数になっていればという関係になっているので,上の計算で求まるのは期待値というよりは,きっかりだということになる.しかしがそのような固有値を持つ状態からずれた状態で得られるエネルギーの期待値がどうなるのかということを含めて考えて行きたいのでこのような式を使って話を始めてみた. さて,基底状態というの