毎年恒例の退職教員インタビュー企画。今年度末で退職する教員たちの目に、今の東大はどのように映っているのだろうか。4人の退職教員に、自身の研究内容を振り返ってもらった他、東大生への最後のメッセージを語ってもらった。 2回目の今回は、記号論を専門とする石田英敬教授に、21世紀における記号論の重要性や東大の問題について話を聞いた。 (取材・高橋祐貴) 石田英敬(いしだ・ひでたか)教授(総合文化研究科・情報学環) 89年パリ第10大学大学院博士課程修了。人文科学博士。同志社大学助教授などを経て、96年より総合文化研究科教授、00年より情報学環教授。 ──最大の研究成果は 東大に来て以来、記号論を研究してきました。先日元教え子の東浩紀さんと『新記号論 脳とメディアが出会うとき』(ゲンロン)を出版しましたが、21世紀に合った新しい記号論を打ち立てたのが私の研究成果です。 石田教授の新刊はAmazonの