京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオが放火され、34人が死亡した事件では、人気アニメ監督で京アニ役員の武本康弘さん(47)の安否がわからないままだ。家族だけでなく、作品の舞台となった地元関係者、ファンにも動揺が広がっている。 「時間がね、戻るわけはないから。つらい」。兵庫県赤穂市に住む武本さんの父親(76)は涙を浮かべた。スタジオが炎に包まれた18日、無事を願って京都府宇治市内の武本さん宅や京アニ本社、スタジオを回ったが、武本さんとは会えなかった。「よく出張に行っていたから、現場におらんと思ったが……」 武本さんは、アニメーターとして入社し、演出も手がけるようになった。監督としてテレビアニメ「フルメタル・パニック?ふもっふ」(2003年)、「らき☆すた」(07年)、「氷菓」(12年)、「甘城(あまぎ)ブリリアントパーク」(14年)などを手がけた。 映画監督作には「Free!」シ