国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)は18日、整形外科の女性医師(29)が造影剤の種類を誤って注射し、入院中の女性を死亡させる医療事故があったと発表した。 同病院は遺族に謝罪した上で、「重大な過誤があった」と警視庁牛込署に事故を届け出た。同署は業務上過失致死容疑で捜査している。 病院によると、亡くなったのは脊髄の造影検査を受けていた東京都内の女性(78)。女性は足腰の痛みを訴え、今月16日に検査入院し、同日午後2時から脊髄の造影検査を受けた。医師が、脊髄への投与が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を注射した結果、女性は検査終了後にけいれん発作を起こして意識を失い、午後8時過ぎに死亡した。ショックによる多臓器不全が死因とみられる。 この医師は、医師になって5年目の研修医で、脊髄の造影検査を1人で行うのは初めてだった。ウログラフインは尿路や血管などの造影用に使われ、脊髄に使うと重い