囲碁の第34期名人戦七番勝負第5局が14日から静岡県熱海市の「あたみ石亭」で行われ、15日午後4時48分、176手までで白番の井山裕太八段(20)が張栩名人(29)=十段・天元・王座・碁聖=に中押し勝ち、対戦成績を4勝1敗として名人位を奪取、史上最年少のタイトル保持者となった。 20歳4カ月での7大タイトル獲得は、昭和51年に趙治勳25世本因坊(当時七段)が第24期王座を獲得したときよりも1カ月早い。規定によって井山新名人は九段に昇格し、これも張栩4冠の23歳5カ月を3年あまり抜くスピード出世となる。 一方、今春の十段位獲得で史上初の5冠になった張栩は、平成18年に王座戦で敗れて以来の失冠。持ち時間8時間のうち残りは張栩が1時間28分、井山は17分。