27日投開票の衆院選に合わせ、鹿児島県内で浮き彫りとなっている課題について現状を探るとともに、県内4選挙区に立候補した12人の考えを聞いた。(衆院選かごしま・連載「論点を問う」①より) 「鹿屋では100台以上のタクシーが走っていた。それが今では10台前後。街も活気を失いつつある」。鹿屋市に営業所を構えるタクシー会社「まいにち交通」の宮田正広所長(59)は嘆く。同社の運転手数はここ10年間で、高齢化により68人から22人に減った。配車予約は6割程度しか対応できない状況が続く。 同市では、1987年に旧国鉄大隅線が廃止された。以降、郊外には国道バイパスが開通、大隅半島では今も高速交通網の整備が続き、地方に多い典型的なマイカー社会へ突き進む。一方で、運転免許を持たない高齢者らにとっては、タクシーは欠かせない移動手段の一つとなっている。 鉄道やバスなど公共交通を利用しにくい「交通空白」の解消へ向け