井上さんの記事について、少し数字を補足しておきます。日銀の昨年9月の金融システムレポート(p.33)によれば、 大手行・地域銀行ともに、2009 年度以降、金利リスクが一段と蓄積される方向にある(図表 3-2-1)。全年限の金利が同時に 1%pt 上昇する場合を想定した金利リスク量(100bpv)は、2009 年度中に、大手行では 2,500 億円弱、地域銀行では 5,000 億円程度増加した。 となっており、図のようにグロスの金利リスクは大手行で4兆円、地方銀行で5兆円を超えています(ネットでは調達金利と相殺される)。邦銀の昨年度の業務純益は2兆9200億円なので、これはその3倍です。特に地銀では、自己資本(Tier1)に対する金利リスクの比率が30%を超えており、長期金利が1%ポイント上がっただけで自己資本が大きく浸食されます。 特に問題なのは国債保有です。大手行は保有国債を短期化し、
![地方銀行の過大な国債リスク](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ab2c6cbe89900a09184dd48b2882b13cd1d20021/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fagora-web.jp%2Fcms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2016%2F02%2F952cb2bb-s.jpg)