聞き覚えのある甲高い警告音が、車内のあちこちから聞こえてきた。 21日午後9時22分。記者(49)は取材先の北海道帯広市から札幌市へ帰るため、JR北海道の特急「スーパーとかち10号」に乗っていた。 「何だ?」「嫌な音だよな」。車内のあちこちでざわめきのような声が上がったその瞬間、スピードを落とし始めていた列車が急停止した。ガクンという大きな揺れを感じたが、それが停止によるものなのか、地震によるものなのかは分からなかった。 「ただいまの急停止は、地震速報を受けてのものです」。アナウンスが入ると、乗客たちはスマートフォンで情報を集め始めた。 「最大震度6弱らしいぞ」「また胆振だって」。乗客たちの声はどんどんと大きくなっていく。 列車の停止から数分後、再び…