基本的に、自身が後で参照できれば良いというつもりでしか書いていないので、他人に何かを推奨したり、是非観ろというようなことをやるのは嫌だ嫌だと言いつつもケッコーやっていて申し訳ないが、ただ、こればかりは僭越ながら観た方が良いですよ、という作品は年に何本かある。 2006年12月8日、東京国際フォーラム・ホールD1でスクリーンに向かって顔を向けているヒトの姿は、ほんの僅かだった。いくらニューシネマワークショップの実習作品で作られたものとは言え、ENBUでの実習作『不詳の人』と『道』(『子宮で映画を撮る女』)の秀作ぶりを観た者なら、又、何より山下敦弘の新作だというのに何故誰も居ないのかと思った。そのことへの憤りが上映後更に積もったのは、これまで映画を観てきて経験したことがないほど大爆笑してしまい、本当に腹が捩れ、胃が痛いと呼吸困難に陥ったからだ。こんなに面白いものを、誰も居ないトコロで観ているこ
早川茉莉編集「すみれノオト」 ¥500 文芸系の小冊子「surprise」の編集・発行人だった早川茉莉さんによる新しい文芸乙女系の冊子。手作りのミニコミに目覚め、印刷・製本を業者に依頼していたのを、自ら出力・製本するローテク冊子にしてしまった茉莉さん。しかし、作る度に、スキルをアップし、好きなアイテムを自由に貼ったり挟んだりという、ハンドメイドならではの楽しみを盛り込んだ楽しみな小冊子になってきました。 今回の特集は手紙。「手紙を書きたくなったら、お手紙セットを詰めたお気に入りの箱を持ってカフェに出かけよう」ということで、この本自体が、手紙についてを読者に向けて綴った手紙のようになっています。 「私は強い衝動に駆られて、若し許さるるなら私は大声を挙げて「タロー!タロー!」と野でも山でも叫び廻り度い気がする」という狂おしいまでの岡本かの子による息子・太郎への手紙。(息子が爆発しち
昨年10月に急逝された米沢嘉博氏の伝説のデビュー作、『戦後少女マンガ史』がちくま文庫で復刊されました。 1980年に出されたもので、入手困難になっていたものを、入手しやすい文庫として出し直したものです。 しかも、ただの復刊ではなく、データをできる限り現物にあたりなおし、正確なものに改めたもので、さらに戦後すぐから1979年までの主な作品年表などもついていて、資料的価値も高い。 文庫の編集者である藤本由香里氏の、マンガ史への敬意と、米沢さんのお仕事をより完全な形で残していこう、という志を感じるお仕事でもあると思います。 実は今回、ご縁があって、私もデータの確認をちょっとだけお手伝いさせていただきました。積み上げた大量のマンガを繰っていく地道な作業なのですが、なんだか面倒さえも嬉しく感じるような、とても光栄な、楽しい作業でした。 コミックマーケット代表として広く認知されていた米沢さんの、評論家
■やはり上映の前日は落ち着かず、例え今日のオールナイトは僕の作品でないとはいえ、はたしてどれだけの人が来てくれるのかしらと気が気ではない。そんな近日、まず朝起きてすることはガッキーの「表現力の限界」を見ること。この映像は僕の中にある言葉の定義を変えるほどの衝撃だった。「表現」とはつまりガッキーが「笑顔を見せる」ことで、「限界」とは「両手を振るのがいっぱいいっぱい」ということなのだ。 毎朝、全人類がこの映像を見て起床するようになれば、とっとと世界平和が訪れるのではとまで思える。 ■夏らしくそうめんと生ビール。天ぷらもちょいと。 ■軽く昼寝。 ■「おやすみプンプン 著:浅野いにお」、こういう浅野いにおが読みたかった。「このすばらしきせかい」のその先が。シュールと死体と尿意が交差する「いま」。ちょっと嫉妬。 ■中野で中古DVD「イントゥ・ザ・サン 監督:ミンク」を500円で。劇場で見た時はコロッ
先日放映のドラマ「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜」の最初の打ち合せというか打診があったのは今年冒頭。ちょうど仙台で展示準備をしてる最中のことでした。で、具体的に作業がはじまったのは4月に入ってから。まず最初にやったのは、このドラマの戦場シーンの冒頭とラストにでてくる「くるわ唄」の採取でした。 “わたしはなんでこのような、つらいつとめを せにゃな〜らぬ〜♪” ではじまる従軍慰安婦と兵隊が一緒に歌うこのくるわ唄は、原作の「総員玉砕せよ」でも物語全体を貫く主題ともいえる唄です。ところが膨大な資料を誇るNHKが各方面の人脈を使って調べてもこの唄の記録はまったくなく、メロディすらもわかりませんでした。こうなったら水木さん本人に歌ってもらうしかない。わたしの最初の仕事は、このドラマの重要な鍵を握るくるわ唄のメロディを水木さんから聞き出すことでした。 4月13日、NHKの柳川強ディレクターとヴォー
今回単行本に収録し切れなかったコラムを、十回分以上収録した小冊子をまんだらけ購入特典でお付けします! 製作のウラ話もあるよ! マニアックなマンガからヒット作まで。 新旧問わず、圧倒的な品揃えで全国各地からマンガ好きが訪れる、東京中野に本拠地がある古書店『まんだらけ』。 マニアの聖地として知られる同店の副店長・岩井道が、自身が遭遇した珍作・奇作・意外な佳作を紹介! 週刊SPA!の連載として、また、「まんだらけ」ホームページの人気コーナー「岩井の本棚」でお馴染みの、作品への愛と毒に満ちた独特の語り口調で全57作品の見どころを完全レビュー。 一部の作品では古書店で探す時のコツもレクチャーしています。 やたら熱血で暴れん坊な「岡崎版ガンダム」、 中盤まで普通のスポ根マンガだったのに、突如暴走するアメフトマンガ、読み過ぎると頭がおかしくなる!と恐れられた怪作ホラー、復刻版すら出ない、子供向け児童書の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く