南海トラフ地震の発生が近づくにともない、関西でも内陸地震(直下型地震)の発生を懸念する声がある。 1月のはじめに、兵庫県の防災監を取材した際、その話を向けると、返ってきた答えが「上町断層帯が心配」だった。 大阪平野を縦走する上町断層帯は、北は豊中市から、南は岸和田市まで約42キロにわたる。地震調査研究推進本部(文部科学省)の想定は、断層帯がいちどに動いた場合、マグニチュード(M)7・5(阪神大震災はM7・3)という。 当然ながら、「大阪府と接する兵庫県の尼崎、伊丹から西宮あたりまで大きな被害が想定される」と兵庫県の防災監はいう。最悪の場合、兵庫県内の死者は阪神大震災と同等の約6千人にのぼるとしている。 気になる発生確率だが、今後30年間で約2-3%となっており、これは全国の活断層でも「やや確率が高いグループに属する」(地震調査研究推進本部)。 2-3%といってもわかりにくいが、昨年4月に熊