ノバルティスファーマ(東京)の降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)を使った臨床研究の信頼性を検証していた東京慈恵医大の調査委員会は30日、血圧値のデータが操作されていたとする中間報告をまとめた。 研究責任者の望月正武客員教授は「重大な疑念を生じさせた」として英医学誌ランセットに掲載された論文の撤回を申し出るとのコメントを発表した。 調査委は、ノ社の元社員がデータ解析を行いながら、論文では非常勤講師を務めていた大阪市立大の所属だけを示し、「解析グループはノ社から独立していた」と記述したことを「不実記載」と認定。望月氏の責任は重大と非難した。血圧データの操作も含め、論文は「基本に欠陥があり、信頼性を欠く」と断じた。