長男からの救援物資に入っていた孫の手紙をよむ馬場きり子さん(右)と長女=宮城県石巻市向陽町で、黒川晋史撮影 震災から1カ月たつが、被災地の在宅障害者には、いまだ支援が届いていない実態がある。知的障害のある長女(29)らと宮城県石巻市向陽町の市営住宅に暮らす馬場きり子さん(69)は両足が不自由で震災後、両手でつえをついて買い物や給水に出かけている。救援物資は足りず、所持金も残りわずか。月に何度か様子を見に訪ねてきていた市職員も震災後は現れない。馬場さんは「誰かに声をかけてほしい」と悲鳴を上げている。 馬場さんはもともと両足に障害があるうえ、2月21日に自転車に乗っていて乗用車との交通事故に遭い、右足骨折で全治6週間の重傷を負い、市内の病院に運ばれた。3月11日、入院先で地震に襲われた。ベッドが激しく動き、柵につかまって必死に耐えた。 障害者施設に通う長女とは即日連絡がついた。安否が分からなか