中国で日本人男児が刺殺された悲劇を受け、一部の中国人が政府に目をつけられることを覚悟で、事件の背景にあるとされる「反日教育」を批判しはじめた。「日本人を憎め」と教えられてきた彼らはいま何を思うのか。彼らの動揺や怒りに、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の中国籍の記者が迫った。 男の子は「反日感情」の犠牲者 2024年9月18日、中国で登校中の日本人男児(10)が刃物で刺された。その日付は、ほぼ1世紀前に日本による中国侵略が始まった1931年9月18日と同じだった。 男児は翌朝に死亡した。警察は現場で44歳の中国人男性を逮捕し、その男は犯行を認めたという。 日本の指導者たちは中国側に説明を要求した。中国政府は、この殺害を「個別の事件」と呼び、日本に対して冷静になるとともに「政治問題化」するのをやめるよう求めた。 一部の中国人は、男児は中国で高まる「反日感情」の犠牲になったとみている。それは中国政