サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
MacBook Neo
courrier.jp
ノーベル賞経済学者クラウディア・ゴールディンの研究をもとに、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のコラムニストが先進国における出生率低下の原因を分析する。とりわけ大卒女性ほど結婚率は高いのに、子供を持たない選択をする傾向が強いのはなぜなのか──。 低出生率は1970年代半ばから続いている 出生率は世界のほぼどの国でも低下している。それだけではない。 ノーベル経済学賞受賞者のクラウディア・ゴールディンは2025年に発表した論文「出生率の低下要因」のなかで、イスラエルを除く経済協力開発機構(OECD)加盟各国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)は、人口の安定推移に必要な「人口置換水準」の2.1に満たないと指摘している。 しかも、これはまったく新しいことではない。ゴールディンによれば、「現在の先進国の多くでみられる低出生率は、1970年代半ばから続いている」のだ。 こうした出生率の変遷
イランの安価で大量生産可能なドローン攻撃に対し、米国は高価な迎撃ミサイルを驚異的なペースで消費している。米軍の兵器備蓄量が枯渇していく様子を見てほくそ笑んでいるのは、台湾侵攻をうかがう中国とNATOを狙うロシアだ──元米海軍パイロットで国防アナリストのブリン・タネヒルが分析する。 「斬首作戦」成功の代償 米国のイランに対する最初の空爆は、戦術・作戦レベルでは成功を収めたといえる。米軍はイラン国内の1700ヵ所の標的を攻撃し、米側の死者はわずか6人にとどまった。イランの指導部は機能不全に陥り、最高指導者アリ・ハメネイ師を含む数十人の幹部が殺害された。 だが、こうした短期的な戦果には代償が伴う。戦略的な全体像はいまだ不透明なままだ。米国とイスラエルは、貴重で高価な兵器をすさまじいペースで消費しつつある。この損耗を世界の安全保障が脅かされる前に急ピッチで補充するのは不可能だ。 中東から遠く離れた
デンマーク・コペンハーゲンの名店「ノーマ」の創設者レネ・レゼピに対し、元従業員35人が長年にわたる暴力やハラスメントの実態を証言した。殴打や威嚇が日常化していた厨房の闇を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 2014年2月のある夜、コペンハーゲンの名店「ノーマ」では、ディナーの営業がピークを迎え、戦場のような忙しさだった。そのさなか、創設者であるシェフのレネ・レゼピが、厨房のスタッフ全員に外へ出るよう命じた。 レゼピは1人のスーシェフを自分の前に押し出した。その若い料理人は、仕込み用のキッチンでレゼピが嫌うテクノ音楽をかけていた。仕込み用キッチンはダイニングから離れた場所にあり、無給のインターンたちが1日16時間、レゼピの名高いニューノルディック料理を飾るハーブを摘んだり、松ぼっくりを磨いたりする場所だった。 レゼピは何度もそのシェフを嘲り、半袖にエプロン姿の約40人の料理人が、
あらゆる「現場」にプロジェクトマネジメントは必要 ──プロジェクトマネジメントとは何を指すのでしょうか。どのような企業で、こうしたプロジェクトマネジメントが必要とされるのですか。 橋本将功 たとえば、皆さんが利用しているiPhoneのアプリや、パソコンのシステムなどをゼロから立ち上げる、あるいは既存の機能を改善するといった企画が動く際、どのような人材が必要か、どのようなチームを作り、いかに取りまとめてリリースまで導くか。この全行程を統括する立ち位置の人を、プロジェクトマネージャーと呼びます。
77歳になった村上春樹に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」がインタビュー。2024年に患った病からの生還、今夏刊行予定の新作、そして日本の文壇に対する心境の変化について、いまの思いを語った。 異なる世界を行き来し、報告する 村上春樹は腰を下ろして執筆に向かうとき、これから何が起こるか自分でもわかっていない。 ベテラン小説家、しかも40冊を超える著作を世に送り出し、数十の言語に翻訳されて数千万部を売り上げてきた世界的な作家にしては、にわかには信じがたい告白に思える。だが、創作活動が半世紀に及ぼうとするいまなお、村上自身にとっても、そのプロセスは謎のままだ。 「プランは何もありません。ただ書いているだけ。すると奇妙なことが、ごく自然に、ひとりでに起こるんです」 2025年12月、ニューヨークでのインタビューで村上はそう語った。 「小説を書くときは、いつも別の世界へと入っていきます。潜在意識と呼ん
イランの革命防衛隊(IRGC)は3月4日、ホルムズ海峡を「完全に支配下」に置いたと発表した。カタールメディア「アルジャジーラ」をはじめとする複数メディアが報じている。開戦初日の2月28日から、同部隊は「いかなる船舶もホルムズ海峡の通過は許可されない」と述べており、軍事指導者らもこの脅しを繰り返し口にしている。 これらの脅しは一部実行されており、少なくとも3隻の船が攻撃を受け、そのうち1隻が炎上した。しかし、「ロイター通信」によれば、3月4日、1隻の船が石油を積み込むためにアラブ首長国連邦(UAE)へ向けて海峡を通過している。 一方、アルジャジーラは世界の総トン数の1%に相当する「約500隻の船」が現在、状況の推移を見守るためにUAEやオマーン沖の外洋上で待機していると報じる。 封鎖は自国にも影響を及ぼす 海峡の「封鎖」が実際に実施されるかどうかは定かではない。それよりも、保険料の高騰などに
数字が語る危機 日本の書店業界の危機は、いくつかの数字が物語っている。過去20年で、国内の書店は半減した。 現在はなお約1万1000店が残っているものの、日本の1700あまりの自治体のうち、3分の1近くには書店が一軒もない。 神保町でも、毎年2軒の書店が閉店している。一方で、神保町に詳しい米国人の文化人類学者であるスーザン・テイラーは、新たに開店する店も目にしてきた。そのほとんどが、棚を貸し出すモデルを採用しているという。 彼女の数えたところでは、神保町だけで6店、東京全体ではこの5年でおよそ40店がオープンしたとみられる。 人類学者である彼女自身も、この仕組みに魅了された一人だ。それは「誰もが棚に自分自身の創造性を持ち込むことができる」からだという。
神保町でも書店が減りゆく 2020年、東京・神保町の古書店前。靖国通りの喧騒のなか、足場に覆われクレーンに囲まれた建物が改装の最終段階を迎えている。 創業145年、東京中心部に店を構える名物書店「三省堂書店」の建物だ。1000平方メートルの売り場面積を誇る三省堂は、長らくこの“本の街”神保町に密集する書店のなかで最大規模を誇っていた。 「以前は8階建てでした。でも新しい建物は3階まで。残りはオフィスとして貸し出されます。これは街が縮小している象徴です」 そう語るのは、米国人の文化人類学者スーザン・テイラーだ。彼女は2010年から神保町に通い、ここで書店員の夫と出会い、博士論文のテーマも見つけた。 彼女は神保町を「東京のカルチェ・ラタン」と呼び、この街の職業文化の保存を研究している。 縮小する「本の街」 二つの大きな交差点を中心に形成された神保町は、独特の地区だった。印刷業者や出版社、そして
イランによる攻撃を受け、中東のハブ都市ドバイが「逃げ場のない島」と化している。かつて安全なオアシスとされた街で、何が起きているのか。駐在員たちの不安と揺らぐ経済モデルの現状を各紙が報じている。 アラブ首長国連邦(UAE)は、ほかの湾岸諸国と同様、2月28日からイランによる攻撃の標的となっている。フライトのキャンセルからスーパーマーケットでの買いだめまで、戦争は湾岸諸国の駐在員の日常を激変させた。 地域的な戦争は、グローバル化の最も流動的な交差点の一つを袋小路に変えてしまうのだろうか。ドバイからドーハまで、イランの攻撃は湾岸諸国のハブの洗練されたメカニズムを突如として停止させ、国外移住、観光、そして世界とつながり続けることで成り立つ経済の脆弱性を露呈させた。 英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、わずか数時間で麻痺した世界の航空システムについて報じている。「中東で最も混雑するドバイ空港、ドーハ
イスラエルから「丸見え」だった 2026年2月28日の朝、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が暗殺されたのは、首都テヘランのパスツール地区にある邸宅の敷地内だった。 そこにハメネイは滞在しているのかどうか、いつ誰が出入りしているのかといった動きの一部始終をイスラエルはライブ映像で見ていたと、英紙「フィナンシャル・タイムズ」が報じている。 内情に詳しい2人の人物が同紙に語ったところによれば、テヘランの交通監視カメラのほぼすべてが何年も前にハッキングされており、映像は暗号化されてイスラエルにあるサーバーに送信されていた。
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2026年3月1日(日)の英「ガーディアン」紙に次の一文がありました。 Unlike pre-emptive wars, preventive ones are deemed unlawful because they grant the powerful licence to strike at will.
ロシアと中国に加え、トランプ率いる米国まで権威主義を強める世界。民主主義の終焉がささやかれるなか、“欧州最高の知性”ことフランスの思想家ジャック・アタリは異論を唱える。「民主主義は常に時代遅れであると同時に、時代を先取りしている」と。 「贅沢品」になり果てた民主主義 過去1世紀半を振り返れば、あらゆる歴史の転換点において、自由民主主義は常に「もはや死に体だ」と宣告されてきた。 1930年代に「効率的」と謳われたファシズム体制が拡大したときも、20世紀後半に国家資本主義が「アジア四小龍」(香港、韓国、シンガポール、台湾)や、とりわけ中国の躍進を後押ししたときも同様だった。 そして今日、権威主義的な指導者の台頭においても同じことが繰り返されている。彼らには、長期的な展望はさておき、迅速な決断力と力強い行動力が備わっているように見えるのだ。 多くの人にとって民主主義は、この激変する現代世界で「時
中国依存からの脱却へ、日本が海の底に挑む。水深6000メートルの深海に眠るレアアースは、国家の命運を握る切り札となるのか。 中国依存からの脱却へ 日本が中国によるレアアース支配からの脱却を目指し、深海資源開発という大胆な一手に踏み出した。 舞台は太平洋の孤島、南鳥島。東京都心から南東へ約1900キロ、日本の排他的経済水域(EEZ)内に位置するこの小さな環礁の沖合、水深6000メートルの海底から、国主導の調査隊がレアアースを豊富に含む泥の回収に成功した。
米国とイスラエルによるイラン攻撃で、最高指導者ハメネイ師が殺害された。その背後には、CIAが数ヵ月にわたりハメネイ師の所在と行動パターンを追跡し続けた情報活動があった。土曜朝のテヘラン中心部での幹部会合という情報を掴んだことで、攻撃のタイミングが急遽変更されたという。作戦の内幕をニューヨーク・タイムズが伝える。 米国とイスラエルがイランへの攻撃をまさに開始しようとしていた直前、米中央情報局(CIA)はおそらく最も重要な標的の所在を特定していた。イランの最高指導者、アリ・ハメネイだ。 作戦に詳しい関係者によれば、CIAは数ヵ月にわたってハメネイを追跡し、その所在や行動パターンについて自信を深めていたという。その後、テヘラン中心部にある指導部施設で、土曜の朝にイラン高官らの会議が開かれることを突き止めた。さらに決定的だったのは、そこに最高指導者が同席するという情報だった。 直前に変更した攻撃の
なぜ学歴も肩書きも乏しいエプスタインが世界の権力者たちを引き寄せることができたのか。誰もが抱くこの疑問に、英紙「ガーディアン」のコラムニストは一つの答えを見つけた。彼の「真の才能」とは、権力ある男たちの劣等感を見抜き、彼らを巧みに手なずけることだった。 少女たちはグルーミングすら必要とせず エプスタイン事件の余波が続くなか、長らく謎とされてきた問いがある。大学を中退し、メールに誤字を入れることをクールだと思っていたような男が、どうやって世界の権力者たちを自分の「巣窟」に引き込んだのか──。 ジェフリー・エプスタインに備わっていた「天賦の才」とは、いったい何だったのか。脅迫に長けていたことか。著名人を使って次の著名人を釣るという、一種のネズミ講だったのか。 その答えは、最近公開されたエプスタイン文書からようやく明らかになってきた。エプスタインがグルーミング(手なずけること)していたのは、人身
「どこを見てもネオ・ピューリタン的な価値観のドラマシリーズが溢れるなか、カナダから新たな風(しかもかなり情熱的な風!)が届いた」 米誌「ニューヨーク・マガジン」がそう書いて報じた「情熱的な風」とは、カナダで製作されたドラマシリーズ『Heated Rivalry(ヒーテッド・ライバルリー)』のことだ。全6話のこの作品は、プロホッケー選手のシェーン・ホランダーとイリヤ・ロザノフが、ライバルから恋人同士になるまでの情熱的な関係を描いている。 「シェーンとイリヤがキスする光景は、多くの女性たち──異性愛者もクィアも──の眠っていた性的欲望を呼び覚ました」
予想に反することなく、出生率の低下傾向は2025年も続いた。フランスの合計特殊出生率は女性一人当たり1.56で、出生数は前年に比べて2.1%減少。長い間ヨーロッパにおける例外的存在だったフランスだが、ついに第二次世界大戦後初めて出生数が死亡数を下回ったのだ。 しかし、出生率の低下は西洋だけの問題ではない。2025年に出版された書籍『人口爆発のその後』(未邦訳)のなかで、米テキサス大学オースティン校の準教授で経済学者・人口学者のディーン・スピアーズとマイケル・ジェルーソは、人類の人口がここ数十年のうちにピークを迎えるだけでなく、もし現在の傾向が続くならば、その後は筆舌に尽くしがたい激減を経験することになるだろうと書いている。 仏「レクスプレス」誌の独占インタビューにおいて、共著者の一人ディーン・スピアーズは、人口学に関する多くの既成観念を問い直し、このような急速な人口減少がいかに懸念すべき事
「燃え尽きた神童」が生まれ変わるまで ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子で金メダルを獲得した米国代表のアリサ・リュウ。個性的なヘアスタイルや発言に注目が集まっているが、何よりも特徴的だったのが「結果至上主義」とは対極にある、彼女の「楽しむ姿勢」だ。 国を代表するプレッシャーを背負い、批判にさらされ、得点や順位のために努力し、その結果として燃え尽きてしまったアスリートは少なくない。 そして、リュウ自身もかつては「燃え尽きた神童」だった。彼女は2022年の世界選手権で銅メダルを獲得したあと、精神的な疲労を理由に引退を表明している。 リュウがまた大舞台に戻ってくるまでに、どのような変化があったのか──海外メディアがくわしく解説している。 英紙「ガーディアン」によれば、彼女はコルティナ五輪を前にこう語っている。 「スケートを辞めたとき、本当にスケートが嫌いだった。大会にも順位にも興味が
中国が人型ロボット分野で総力戦 米打倒へ 米実業家イーロン・マスク氏はこの数ヵ月、米電気自動車(EV)大手テスラのヒューマノイド(人型ロボット)「オプティマス」が世界に革命をもたらし、新たな巨大産業を生み出すと投資家に語ってきた。しかし、同時に、その大半を中国が占めることになるかもしれないと警鐘を鳴らす。 マスク氏は1月、「中国は驚異的で、次元が違う」と述べた。「われわれの知る限り、中国以外に重要な(人型ロボットの)競合相手は見当たらない」 中国はこの産業を支配しようと、急速な動きを見せている。人型ロボットを手掛ける企業は深圳から蘇州に至るまで、さまざまな地域で続々と誕生しており、その数は140社を超える。これらの企業は、膨大な部品供給業者と技術人材で構成されるエコシステムを活用して人型ロボットの大規模生産を始めており、工場やホテル、オフィスといった現場に積極的に配備している。 産業全体の
世界第2位のサーモン輸出国・チリ。その急成長の裏側で、労働者の命と先住民の暮らし、そして海と川の生態系が犠牲になっている。これはチリ産のサーモンの恩恵を受けている日本を含む世界中の国々にとって、決して他人事ではない事態だ。 異常な数の死亡事故、抗生物質の大量使用、河川汚染──パタゴニアで何が起きているのかを英紙「ガーディアン」が追った。 人命軽視の成長産業 ジュリア・カルカモ・ロペスの家は海の目の前にあり、塩が付着した窓の外からはカモメの鳴き声が聞こえてくる。彼女が住むのはチリのパタゴニアにある半島の先端部、マウリンという町だ。この町では、ほぼ全員が漁業に関連する仕事をしている。 霧雨が降り、空が暗くなっていくなか、ロペスは人生で最悪の日だという、2019年5月1日のことを回想する。「2人の男がドアをノックして、悪い知らせがあると言いました。海で仕事に出ていた夫が事故に遭ったというのです」
2019年に獄中で死亡したジェフリー・エプスタインの新たな公開メールは、彼の犯罪とは別の側面を浮かび上がらせた。そこに見えるのは、「人種科学」と呼ばれる歴史的に否定された疑似科学が、周縁ではなく“権力の近く”で語られていた事実だ。 2016年、エプスタインは言語学者のノーム・チョムスキーに、「不都合なデータも見るべきだ」と書き送り、人種とIQの遺伝的差異を主張する白人至上主義系サイトの記事を紹介していた。 人種科学とは、人類を固定的な生物学的「人種」に分け、知能や性格の違いは遺伝によって決められるとする考えだ。19〜20世紀前半には植民地主義や優生政策を支えたが、戦後の遺伝学・人類学の進展により、人種は明確な生物学的区分ではないとの理解が広がり、学術の主流からは退いている。 それでもエプスタインは、チョムスキーやノーベル賞受賞者のジェームズ・ワトソン、AI研究者のジョシャ・バッハら著名な学
ゼロ金利政策で長らく眠っていた日本国債市場が、再び“戦場”の様相を呈していると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じる。高市首相の減税公約をきっかけに利回りが急騰。日本の熟練トレーダーたちが脚光を浴びる一方、「債務の罠」への転落を警告する声も上がっている。 異例の急騰ぶりに米財務長官から電話 過去20年間、世界の金融市場においてこれほど孤独な場所は他になかっただろう。日本の国債市場のことである。 日本銀行が長年にわたって金利をゼロに固定する政策を続けた結果、国債の利回りはほぼ横ばいで推移した。いずれ利回りが上昇すると読んで空売りに挑んだ投資家たちは、あまりに多くの痛手を負ったため、その取引は危険すぎるとして「ウィドウ・メーカー(寡婦を生むもの)」とまで呼ばれるようになった。 世界2位の規模を誇る国債市場でありながら、指標銘柄がまったく取引されない日さえあった。 しかし、そんな時代は終わった
ポニーテールに藍色のスーツ、コンピュータのプログラムコードが全面に書かれた黒いTシャツ。安野貴博(35)は、日本政府のかしこまった議場の中でひときわ目を引く存在だ。 ソフトウェアエンジニア出身の国会議員である安野は、テクノロジー系の人材が設立し、2月の衆院選で驚くべき強さを見せた政党「チームみらい」を率いている。同党は政府のチャットボット導入や自動運転バスの普及など、革新的な新技術の推進を掲げて、衆議院で11議席を獲得するという目を見張る結果を出した。 「AIは火のようなもの」と、昨年から参議院議員を務める安野は言う。「あらゆるものが変わるでしょう」 人工知能は世界中の政治を急速に塗り替えつつある。各国の政策立案にチャットボットが活用される一方で、AIが生成した誤情報も広く拡散している。英国やデンマークをはじめ、さまざまな国でAIの活用を公約に掲げる候補者や政党が選挙戦に登場しはじめている
米「Anthropic(アンソロピック)」社が開発した生成AIツール「Claude(クロード)」は、ChatGPTやGeminiと並んで業界を牽引する会話型生成AIの一つだ。 特徴は、高い安全性と倫理性、そして米誌「タイム」によると、「親しみやすく好奇心旺盛、主要ライバルのChatGPTより創造性に富む」点にある。この緻密に設計された“人格”形成に貢献した人物として、いま注目を集めているのが、アンソロピックの常駐哲学者アマンダ・アスケル(37)だ。 スコットランド出身のアスケルは、日々クロードの推論パターンを学び、対話しながらその性格を構築、さらに100ページを超えるプロンプトを用いて誤作動を修正している。その目的はクロードに「道徳観」や「善悪」を学ばせることだと米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はアスケルへのインタビュー記事で報じている。 微妙なニュアンスを読み取るよう指導し、感情
「支持しない」が急増 この2ヵ月間は、ドナルド・トランプ米大統領の支持率にとって過去最悪の時期だった。世論調査の集計によると、支持率は40%台前半に低迷し、経済政策については34%、物価対策については30%の支持しか得られていない。 個別の世論調査のなかには、政権全体への支持率が30%台半ばまで落ち込んでいるものもある。トランプの支持率がこれほど悪化したのは、議事堂襲撃事件の直後以来のことだ。 支持率の低下は特に若年層において顕著だ。クック・ポリティカル・レポートによれば、2025年3月1日時点での若年層におけるトランプの純支持率(支持率から不支持率を差し引いた数値)はマイナス7だった。 しかし2026年2月1日には、その数字はマイナス31.8に達した。現在、若年層では他のどの年齢層よりも急速にトランプ離れが進んでいるのだ。 我が身に迫る問題 こうした事態が起こっているのは、現政権による独
生成AIによる自動化で、ホワイトカラーの仕事が奪われるかもしれない──こうした警告をよく耳にするが、実際の数字を見てみるとホワイトカラーの雇用も賃金も増加していると、英「エコノミスト」誌は指摘する。 2022年11月にOpenAIがChatGPTを公開して以降、AIは興奮と同時に恐怖も引き起こしている。コスト削減を望む企業側は諸手を挙げて歓迎する一方、プログラマーやパワーポイント資料作成者、そのほかデスクワークに従事する従業員はAIの存在に恐れおののいている。 AIに関しては、世界経済の有力者たちも声を上げている。2026年1月23日の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)最終日において、国際通貨基金専務理事(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバは、AIは「労働市場を襲う津波のようなものだ」と警告した。 JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモンは、世界最大級の金融持株会社である
「新車の購入」──近頃の米国で、それは衝撃的な体験になりかねない。パンデミックによる供給不足は収束した。ディーラーに行けば多くの車種が並び、客は好みの色とオプションで車を購入できる。 しかし、その価格はかつてないほど高騰している。同時に、自動車ローンの額と期間も過去最大水準になっているのだ。 新車の平均店頭表示価格はいまや5万ドル(約770万円)を超え、2019年比で約30%上昇。自動車関連サービス企業コックス・オートモーティブによると、販売奨励金や特別値引きを適用したとしても、諸費用込みの支払い総額は2025年9月に5万ドルを突破、通常は販売が低迷する1月も、4万9191ドル(約760万円)と過去最高を記録している。 市場調査とコンサルティングをおこなうJ.D.パワーは、これによって自動車ローンの月平均支払額は過去最高の800ドル(約12万円)強に達したとしている。なかには、さらに高額の
ガザをめぐり国連特別報告者の「人類共通の敵」発言が欧州で物議を醸すなか、日本では防衛省がイスラエル製ドローンの入札に動いていた──。「パレスチナ人が流した血」で性能を高めた兵器を、日本は購入するのか? 仏独が「反ユダヤ主義だ」と主張 2026年2月、フランスとドイツの両国政府が相次いで国連のフランチェスカ・アルバネーゼ特別報告者は辞任すべきだという立場を表明した。 特別報告者とは国連人権理事会から任命され、特定の問題を専門的な見地から調査して報告をまとめる役割を果たす。ただし、国連からは独立した存在だ。 イタリアの国際法学者であるアルバネーゼは、イスラエル占領下のパレスチナの人権状況を調査している。 仏独の怒りを買ったのは、2月7日、中東の衛星放送局「アルジャジーラ」がドーハで開催したパネルディスカッションにおけるアルバネーゼの発言だ。彼女はオンラインで議論に参加し、ガザ地区でのジェノサイ
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2026年2月1日(日)の「BBC」に次の一文がありました。 Years of subsequent research in different settings have helped to underline how sleep banking can act as a mental and physical prophylactic ahead of sleepless nights.
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く