※2023年9月時点の内容です。 政策課題への一考察 第90回 定年引上げによる人的資源管理上の課題と展望 ―現状の見直しと将来予測の必要性 株式会社日本政策総研主任研究員 竹田 圭助 (「地方財務」2023年10月号) はじめに (1)自治体の人的資源の歴史的経過 自治体経営の2大資源の1つといわれる人的資源(職員)は外部環境の変化に伴い大きく変動してきた。自治体における人的資源は、自治体の行政サービスを適切に提供するために、仕事の量に応じて必要な人員を配置する(武藤、2023(1))「定員管理」なる概念によってコントロールされてきた。 〔注〕 (1)武藤博己(2022)「定員管理の考え方」公益財団法人地方自治総合研究所。 高度経済成長期(1950年代から1970年代初頭まで)は行政需要の増大に伴い定員は増加傾向にあったが、1990年代半ば以降のバブル崩壊後、財政健全化のための人件費削減