親が育てられない子供を匿名で受け入れる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)が10日、設置から3年を迎えた。蓮田太二理事長は記者会見で、ポストに子供を入れる行為について「子にとっては親が手放したことになり、虐待といえる」と述べた。ポストは設置当初、親のポスト利用を「虐待ではない」との認識を示してきたが、その病院側が自ら否定的な考えを示した形で、今後論議を呼びそうだ。 ポストに入れられた子供は、親が分かっても親元に戻れず、児童養護施設を転々とせざるを得ないのが実情だ。病院側は当初、ポストに入れられた子供について、戸籍上実子として育つことができる「特別養子縁組」の利用を想定していたが、これまでポストに入れられた51人のうち、特別養子縁組によって一般の家庭で育っている子供はわずか1人に過ぎない。 蓮田理事長は、預けられた子供を一時保護する児童相談所について「育児放棄した親