9日告示、26日投開票の知事選には新人4氏が出馬表明し、構図がほぼ固まった。異例ずくめの超短期決戦に臨む各陣営の動きを探った。 4月中旬、自民党県連幹部の携帯電話が鳴った。「大村さんをよろしく」。電話の主は派閥領袖(りょうしゅう)に近く、総務省にも影響力を持つ党幹部。県内議員や首長に働きかけを続け、支援に反対した自民関係者には翻意を強く迫ったとされる。 元総務官僚で静岡県副知事も務めた大村慎一氏(60)。過去にも知事選の有力候補として名前が挙がり、2021年の前回選では自民関係者が出馬を打診した。この際は固辞したが、県内政財界との関係構築に地道に取り組んできた。ある経済人は「昨年夏ごろには出馬の意向を固めていたのでは」と推察する。 川勝平太知事の辞意表明後、大村氏の動きは速かった。わずか6日後に出馬表明し、前浜松市長鈴木康友氏(66)の機先を制した。支援態勢は県OBや静岡高同級生らの急ごし