日本の音階について調べていると様々な名前が出てきます。例えば陰旋法・都節音階、あるいは雲居調子・岩戸調子など…実際にはこの4つとも同じ音階を指しています。 雅楽は昔から理論化されてきた一方で民謡の研究が本格化したのは19世紀後半でした。どう分類するか議論も始まったばかりで「研究者や学説の違いのために別の名前の音階でも中身は同じだった」なんてこともよくあり非常に分かりづらくなっています。 陰旋法=都節音階と対になる陽旋法=田舎節音階は、都会に対して地方に多い音階だと考えられて名付けられました。しかしその後の研究で詳しく地方の民謡を調べていくと、実際にはあまり使われていなかったことが分かり、これとは別に新しい分類「民謡音階」が提唱されます。 そこで日本の音階をスッキリと理解するために、簡単に研究史を振り返ってみることで様々な命名や理論を整理しつつ、過去の説がどのようにアップデートされてきたのか