最近刊行された『ウクライナのサイバー戦争』(松原実穂子、新潮社)を読んだ。ひとことで言うと、ここまでわかっていることを網羅的に整理して、まとめてあって参考になる。ある程度、ご存じの方でも「これは知らなかった」ということがあると思う。また、確認が取れない情報はオミットしているようなのでその点も助かる。たとえばランサムウェアグループやハクティビストとロシア当局機関との関係についてはあまり書かれていない。 ウクライナやサイバー戦に関心のある方は手に取って読んでみることをおすすめする。 もっと早く読むつもりだったのだが、8月中はとにかくいろんな仕事があってバタバタしていた。今でも余波が残っているものの、なんとか読了できた。 ●本書の内容本書はまず、クリミア併合から最近までのサイバー空間の戦いの流れを3章にわたって紹介している。 次に重要なポイントについて章ごとに解説している。ウクライナの重要インフ