二子山東岳の岩場を登るクライマー(本文とは関係ありません)=埼玉県小鹿野町で、2023年10月14日、照山哲史撮影 「自然が相手」に重きをおくか、時代に沿った安全管理重視か――。小鹿野町の二子山(1166メートル)で起きた岩場墜落事故で重傷を負った男性が、町と小鹿野クライミング協会に慰謝料などの支払いを求めた訴訟は、クライミングを巡る「自己責任の原則」が最大の争点となっている。原告、被告双方から3通ずつ出された意見書は、最大の争点に関わる安全性を巡る主張が真っ向から対立している。【照山哲史】 【写真】そり立つ二子山西岳の岩場を登るクライマー ◇安全確保 整備者の意識改革必要 原告側 ◇「自然相手」行為者自らで 協会側 「岩場を管理すると宣言した団体が整備した場所で起きた事故。整備した側には一定の責任はある。すべてが利用サイドの自己責任ですむものではない」。原告男性のためにまとめた意見書にそ