厚生労働省の薬事分科会などの合同会議。塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬の緊急承認について審議した=東京都千代田区で2022年7月、矢澤秀範撮影 新型コロナウイルス感染症では、治療の切り札となる薬の登場が待ち望まれている。塩野義製薬の軽症者向け飲み薬「ゾコーバ」は、国の「緊急承認制度」による実用化を目指しているが、7月にあった厚生労働省の薬事分科会などの合同会議でも承認されず、審議が続くことが決まった。なぜ承認は見送られたのか、その理由に迫った。 新型コロナの軽症者に使える薬は、国内では海外製の5製品が実用化されている。しかし、いずれも高齢者など重症化リスクのある人だけが対象になっている。 ゾコーバは承認されるとしても、他の薬との「併用禁忌」が多く、胎児に異常を及ぼす「催奇形性」への懸念から、妊婦への使用は禁じられる見通しだ。だが、初の国産飲み薬ということもあり、実用化が期待さ