俳優の黒柳徹子さんが戦時期に学んだ「トモエ学園」(閉園、東京都目黒区)の校長を務め、音楽を取り入れた教育法「リトミック」の普及に貢献した幼児教育研究者、小林宗作(1893~1963年)の業績を広く知ってもらおうと、出身地・旧岩島村のある群馬県東吾妻町で有志が活動を始めた。戦時期でも時流にあらがい、子どもを人間として尊重する教育を続けた人物に「再び光を当てたい」とする。(小松田健一) 提唱したのは同町議で作曲家、和太鼓演奏者の井上日出来さん(58)。小林は大正期から昭和初期の初等音楽教育に大きな足跡を残し、著名な教え子には黒柳さんのほか、俳優の池内淳子さん(1933~2010年)、歌手の美輪明宏さん(88)らがいる。しかし、13歳で下仁田町へ移住したため、出身地の東吾妻町ではあまり知られていない。 井上さんは大ベストセラーになった黒柳さんの自伝的小説「窓ぎわのトットちゃん」がアニメ映画化され