ハナモゲラ と呼ばれる 言葉遊び もしくは 一種の芸当がある 知名度は そこそこに あると言っても 良いだろうが これ程 至極厄介な 言葉遊びも そうあるまい なぜなら ハナモゲラは 各人によって 捉え方 具体的に言えば イメージする手法に 対して かなりの差異(ズレ)が 生じているからだ その差異は ハナモゲラを 知る者達は おろか ハナモゲラに 興じる者達の中ですら 巻き起こっている有様である それ故 それらの多様な例から 一括した ハナモゲラの要諦を 説明しているケースは 揚子江を遊泳する シロナガスクジラほどに お目に掛れない状況である 由是観之(これによりてこれをみるに) ハナモゲラの 本質は 一体 何であるのかを 今一度 探る必要がある ◆ 「虚構におけるハナモゲラの自己完結性」(『定本ハナモゲラの研究』序)の中で 作家:筒井康隆は 「SFを書く必要」から ハナモゲラに着手した