それは、小説のめり込んで現実が見えなくなって身を滅ぼす人を描いて、教訓的に小説から脱離させるといった作品ではない。 例えるなら、タバコにおける「ニコレット」的な小説を書きたいと考えている。 つまり、薄味な表現にだんだんと慣らしていき、小説的な表現から脱離しやすくするような作品を書きたい。 まあ、それは、表現規制的な世の流れに従えば、あれが描けない、これが描けないといった形で、自然と実現されていくのだろう。 ただそれだけでは、多くの人間に、満足な表現が描かれず面白くない小説ばかりなのは表現規制のせいだ、と不満を残すようになる。 だから、表現規制がきつくなる前に、先行的に、小説的な表現から自ら脱離しやすくする小説を書きたいと構想している。 多くの子どもが幼いときの遊びから脱離するのと同じように、人々を小説から脱離させるような作品を書きたいと思っているのだ。 表現規制によって小説を諦める前に、自