大学の部活で仲が良かった男4人組で日帰り旅行に出かけた帰り道での出来事だった。 片道250kmくらいの道のりで、あと50kmくらいで無事に家に帰れるはずだった。高速が事故で渋滞していて、渋滞の最後尾に追いついたんだ。 トラックの後ろに停車してハザードを焚いてバックミラーを覗いた。それから数分間の記憶はない。 目を覚ますと、運転席の中だった。目の前に巨大な鉄の塊があって、本来それと自分たちを隔てる、あるべきものがなかった。 状況が理解できなかった。けど目に飛び込んでくる夥しい量の情報がその事実を残酷に突きつけていた。 理解せざるをえなかった。追突事故にあったんだと。 助手席の友人に大丈夫か聞くと返事が帰ってきた。彼に一旦外に出ることを伝えて、ドアを開けて外に出ると前のトラックの運転手が携帯電話でどこかに電話していた。 「そうだ、自分も通報しないと」携帯を取り出して110番に通報した。 電話を