2025年2月28日、ワシントン・ポストのオーナー、ジェフ・ベゾスが下した決断は、アメリカのメディア界に衝撃を与えた。同紙の意見ページを「個人の自由と自由市場」を支持する方針にシフトすると発表したのだ。これまでリベラル寄りの論調で知られ、特にトランプ政権時代にはその反対を旗印に掲げてきた同紙にとって、これは大きな方向転換とも言える動きであり、他の米国メディアも注目している。 事態の発端は、このブログでも触れたが(参照)、2024年11月の大統領選挙直後である。そして、ドナルド・トランプが再選を果たし、多くのリベラルメディアが予想した「バイデン政権の延長」は崩れ去った。この結果に、ワシントン・ポスト内部でも動揺が広がった。選挙直前、同紙はカマラ・ハリスへの支持表明を見送り、その決定に反発した編集スタッフの一部が辞職。さらに、長年のリベラル読者が購読をキャンセルし、社内は混乱に陥った。そんな中