全世界アルバムセールス1,400万枚、ストリーミング総再生回数70億を誇るケシャが2年ぶりのニュー・アルバム『ハイ・ロード』をリリースした。クラブシーンを賑わすパーティー・ガールのイメージを払拭して、現在は女性運動、LGDBQ、ポジティブマインドについて積極的に唱えるリーダー像を確立しているケシャ。2014年頃から数年間、表舞台から姿を消していた彼女が完全復活を遂げた前作より、シンガーとして、そして一人の人間としてさらに成長したケシャは何を伝え、何を歌うのか。最新アルバムと彼女の経歴について、本作のライナーノーツも執筆する音楽ライターの新谷洋子氏に解説してもらった。 全米No.1パーティー・ガールから、女性ムーヴメント先駆者へ ケシャというアーティストにはふたつの顔がある。早い話が、それは“KE$HA”と“Kesha”の違いだ。今から10年前、デビューした当時の彼女は言うまでもなくKE$H