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ブックレビューの検索結果81 - 120 件 / 422件

  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『白い夏の墓標』帚木 蓬生 (著) 新潮文庫 |

    あらすじパリで開催された肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯は、講演を終えた後、一人の老人に声をかけられた。 アメリカの陸軍微生物研究所のべルナールと名乗るこの老人は、かつて佐伯が机を並べて研究をしていた友人、黒田の上司であり、友人だったのだと言う。 そしてアメリカで事故死したと聞いていた黒田は、実はフランスで自殺していたことを佐伯に告げる。 黒田の墓の場所を伝え、その墓の世話をしている女性にこの封筒を渡してくれないか、とベルナールに頼まれ、二十数年前の黒田とのことを思いながら、佐伯は彼の足取りをたどる。 異国の地で命を落とした友人は何を思い生きてきたのか昭和二十七年。 北東大学細菌学教室で大学院生の佐伯と専修生の黒田は机を並べ、免疫に関する研究を行なっていました。 金がなく皮肉屋で、人一倍感性の強い心を持つ黒田の、ふとしたときに見せる優しさに佐伯は好感を持っていました。 やがて黒田の研究成

    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー 『増補版 九十歳。何がめでたい』佐藤 愛子 (著) |

      佐藤 愛子 (著) 小学館文庫 あらすじ身体のガタが来ているというのに、声が大きいために元気なばあさんだと思われて困る。 スマホとは何ぞや、便利になった生活で失われたものは何か。 「人生相談」のコーナーが好きだが、自分にはとても答えられない…。 大正生まれ、昭和、平成、令和と生きてきた女性作家が歯に衣着せぬ物言いで昨今の風潮を斬り、それでいいのか、と投げかける。 子供の頃のキモチを思い出し、十四年間共に暮らした犬を偲ぶ。 九十歳を過ぎた今思うこと、起こることを笑いと涙あふれる文章でイキイキと綴るエッセイ集。 老化に悲哀を感じ 人生相談にエキサイトするテレビで若い女性の声が聞き取りにくい。 男性タレントや若手俳優のセリフも聞こえづらく、テレビに向かって「男ならもっとハキハキと、腹から声を出せ!と毒づいていたが、ある日医者から「若い人の半分しか聞こえていない」と言われた著者。 「老化だ」と笑い

      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『クローズドサスペンスヘブン』五条紀夫 (著) |

        五条紀夫 (著) 新潮文庫nex あらすじ俺は誰かに首を斬られて殺された。 気がつけば海辺にいて、道の先には木造二階建の洋館が。 どうやらここは死後の世界らしく、洋館に集まった俺を含めた六人の男女は皆この屋敷で命を落としたようだ。 姿の見えない配達人から届く不思議な新聞により、どんな状態で誰が殺されたかの情報が明らかになっていく。 記憶を失った状態で天国屋敷へとやってきた彼らのうち、犯人は誰なのか。 そして自分自身はいったい何者なのか。 死後の世界で繰り広げられる特殊設定ミステリー。 自分たちを殺した犯人を見つけ出せ刃物で首を斬られたのが最後の記憶。 首をかしげつつ洋館へ向かうと五人の男女がいました。 皆生前の記憶がなく、喉の切断により死亡したことだけは覚えているのだと言います。 なぜ自分たちは死んだのか、その理由が明らかになればこの屋敷から解放される。 そう考えた彼らは、毎朝ポストに届く

        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『銀色の国』逸木 裕 (著) |

          最初は美しい世界の映像が 流れるの。日を追うごとに その景色は変化していくとともに 閲覧者にミッションが与えられるわ。 そこで死への抵抗を無くしていくやり方なの。 『銀色の国』逸木 裕 (著) 創元推理文庫あらすじNPO法人「レーテ」で自殺志願者のセーフティネットとしての活動を行なっている田宮晃佑のもとに、この仕事をするきっかけをくれた友人・市川博之の悲報が届く。 亡くなる前、VRにのめり込み飛び降り自殺したのだという。 VRが自殺に関係しているのでは、と考えた晃佑は元ゲームクリエイターである友人の城間宙とともに調査を開始。 一方、自傷行為をくり返す浪人生のくるみは、SNSのフォロワーからネット上のみつながる自助グループ「銀色の国」への誘いを受ける。 参加するために受け取った荷物の中身はVRゴーグルだった。 仮想現実の世界で人を死へと誘導することは可能なのか。 そして晃佑たちは彼らの死を止

          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『六人の嘘つきな大学生』浅倉 秋成 (著) |

            『六人の嘘つきな大学生』浅倉 秋成 (著) 角川文庫あらすじIT企業「スピラリンクス」初の新卒総合職採用最終試験に残ったのは六人の大学生たち。 最終選考のグループディスカッションに備え何度も会合を重ね互いの信頼を高め合ってきた。 六人全員に内定が出る可能性もあったが、課題が変更され「六人の中から内定者にふさわしい一人を決める」と言う内容に。 議論の途中、全員分の封筒が見つかり、その一通を開けてみるとそこには内定者の一人を「人殺し」と告発する文章が。 残りの封筒の中には何が書かれているのか、これを用意した人間は何者なのか。 信頼していた仲間たちが抱えていた嘘スピラリンクスの最終選考に残った波多野省吾は、六人全員に内定が出て欲しいと思いながら、メンバーたちとフループディスカッションの対策を進めていきます。 整った見た目とリーダーシップを持つ九賀蒼太、野球部出身で声も体も大きいムードメーカー袴田

            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『お梅は呪いたい』藤崎 翔 (著) |

              『お梅は呪いたい』藤崎 翔 (著)祥伝社文庫あらすじ築百年以上にもなる古民家の解体作業中に、古びた日本人形が発見された。 それは今を遡ること五百年前の戦国時代に活躍した呪いの人形だったのだ。 興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られた呪いの人形のお梅は、この男を呪うことにするのだが、何故かなかなかうまくいかず…。 五百年ぶりの世界に戸惑う呪いの人形 お梅かつては戦国大名を滅亡させたこともある、呪いの人形、お梅。 五百年ぶりの世界は箱に動く絵があったり、指を軽く押すだけで、部屋に火ではない明かりが灯ったりと戸惑うことばかり。 それでも人間を呪うことが自分の使命であるお梅は、自分を引き取った底辺ユーチューバー悠斗の部屋を夜中にあちこち歩き回り検分します。 すると夜中にスマホ撮影をしていた悠斗にこの姿を録画されてしまいます。 悠斗は驚きつつ早速動画にアップすると悠斗のチャンネルははじめてバズる状

              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『雨の中の涙のように』遠田潤子 (著) |

                あららら。影響力が大きいのも 良し悪しだな。彼らは俳優との 関わりや自分の人生について どう思っているんだろう? 『雨の中の涙のように』遠田潤子 (著) 光文社文庫あらすじ雨の音を聞くと彼のことを思い出す。 長身ですらりと手足が長く、儚さを帯びた美しい顔で人々を魅了する芸能人・堀尾葉介。 彼と関わりを持った人々は、それと気づかぬうちに己の人生が思わぬ形に動きはじめる。 そして葉介自身の苦しみにもまた変化が訪れ…。 今の道を生きるきっかけを作ったある芸能人姪が見せたティーン向けのファッション雑誌。 そこに掲載されたモデルの少女を見て、ハンコ屋を営む伍郎はハッと息を飲みます。 十年前、役者を目指していた伍郎は、やはり売れない役者で幼い娘を持つしのぶと交際していました。 時代劇が廃れていく中、伍郎の得意技は殺陣。 ある日、アイドルの一員である堀尾葉介に殺陣を教えることになった伍郎。 アイドルあが

                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ロボット・イン・ザ・システム』デボラ・インストール (著) |

                  デボラ・インストール (著), 松原 葉子 (翻訳)小学館文庫 あらすじ中学校生となったタングは思春期の真っ只中。 見た目の変わらなさからあれこれ手や口を出しては、タングを苛つかせてしまうベン。 好奇心のままに成長中のボニーと頼れる妻・エイミー。 そんなベン一家は骨盤骨折から回復した老婦人、ミセス・カッカーを迎え入れることに。 いっそう賑やかになった一家のもとへ、何と友人のカトウ一家が仕事と休暇を兼ねてやってきた。 休みなく仕事に向かい、何かを隠している様子のカトウにベンは不信感を抱くのだが…。 タングの思春期とカトウが隠す秘密友人もでき、楽しく学校へ行っているようではありますが、ベンの助けやアドバイスを嫌がることもあるタングは思春期を迎え、何やら思い悩んでいる様子。 ベンは不器用なりにタングの力になろうとしますが相変わらず少しずれています。 入院していたミセス・カッカーが退院し、彼女のア

                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『傲慢と善良』辻村 深月 (著) |

                    『傲慢と善良』辻村 深月 (著) 朝日文庫あらすじ親の跡を継ぎ、東京で輸入業の代理店を経営委する三十九歳の西澤架は、半年後に結婚式を挙げる予定だった。 しかし、婚約者である三十五歳の坂庭真実が失踪し、行方不明に。 彼女が話していたストーカーと何か関係があるのか。 架は群馬にある真実の実家や、真実の友人・知人らをたずね、彼女の居場所を探そうとするのだが…。 失踪した婚約者の価値観やプライドが明らかに友人も多く、異性との付き合いにも困ることのなかった架は、父の亡き後、その会社を継ぐことを決意し、必死に仕事に励んできました。 気がつけば三十代も半ばをすぎ、SNSで元カノの結婚を知って動揺しつつ、婚活に取り組みます。 婚活アプリで知り合った真実と交際して二年。 なかなか結婚に踏み切れない架でしたが、友人らに後押しされる形でようやく決意。 式場も予約していた矢先に真実が失踪します。 警察に相談するも

                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『菊花ちらし 木挽町芝居茶屋事件帖』篠 綾子 (著) |

                      篠 綾子 (著)ハルキ文庫 あらすじ芝居茶屋かささぎでは、実りの秋に何の献立を出そうかと店主の喜八、弥助、料理人の松次郎とで頭をひねる。 そんな中、下総から江戸へ遊びに来たという、美人のお菊とぼうっとした大男が店にやってきた。 そこへ店にいた久作と名乗る男がお菊に化粧水を買わないか、と声をかける。 その様子を見ていた喜八は、その販売方法がどうも気になり…。 江戸の町で起こる謎を解くシリーズ第五弾。 若い女性を相手に化粧水を売る男しめじのご飯に舞茸の焼き物、秋茄子の揚げびたし。 秋のメニューを展開する芝居茶屋かささぎに二人連れの客がやってきました。 下総から来たという、美人で気が強そうなお菊と、そのお供と思われる無口な大男の名は何と喜八。 秋の献立を提供した後、やはりはじめて店を訪れたという、薬売りの久作と名乗る男がお菊に何やら話しかけている様子。 久作は菊若水という名の化粧水をお菊にすすめ

                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『毒島刑事最後の事件』中山 七里 (著) |

                        銃殺事件、硫酸による傷害事件、 示唆殺人事件など一見関係の ないように見えるこれらの事件に つながりがあることを毒島は 突き止めるの。 『毒島刑事最後の事件』中山 七里 (著)幻冬舎文庫あらすじ皇居近くで二人の男性が射殺される事件が発生した。 テロリストかと世間が騒ぐ中、警視庁一の毒舌と検挙率を誇る毒島は「チンケな犯人」と嘲笑。 そして犯人を捉えるためにある罠を仕掛ける。 出版社の爆破事件、女性を狙った硫酸攻撃。 一連の事件の背後に潜む「教授」の正体とは。 とらえどころのない犯人に毒島が挑む。 人心を操る「教授」と毒舌刑事の対決検挙率は警視庁随一、おまけに能弁で一つ意見を言えば十も反論を返す毒島は、庁内で一目置かれていると同時に、上からは扱いづらい人間と見られています。 4月28日、5月3日と皇居近辺で男性が射殺される事件が発生。 銃は同一のものを使用しており、被害者同士の共通点は見られま

                        • 『優等生は探偵に向かない』ホリー・ジャクソン (著)のイラストブックレビューです |

                          ホリー・ジャクソン (著), 服部 京子 (翻訳)創元推理文庫 あらすじ高校生のピップは友人のコナーから失踪した兄・ジェイミーを探してほしいと頼まれ、ポッドキャストを使って情報を拡散・収集。 捜査の進捗状況も配信していく。 関係者へのインタビューやSNSなどの情報により、ジェイミーの足取りが少しずつ明らかに。 そしてピップが辿り着いた真相とは。 行方不明のジェイミーの足取りを追うピップ研究としてピップの相棒でもあるラヴィの兄の無実を明らかにし、多くの女性を苦しめたレイプ犯・マックス逮捕へとつなげたピップは、その調査経緯と推理をまとめポッドキャストで配信していました。 視聴者数も伸びていたある日、ピップは友人コナーから、兄のジェイミーの行方がわからないため、ポッドキャストを使って探してくれないか、と頼まれます。 一度は断ったピップですが、警察の対応に不信感を抱き、引き受けることに。 覚悟はし

                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『新装版 青い壺』有吉 佐和子 (著) |

                            医師の妻やその娘、 泥棒に盗まれてから老女へ、 その孫娘からスペインに行き 最終的に陶芸家と再会を果たすの。 『新装版 青い壺』有吉 佐和子 (著)文春文庫あらすじ陶芸家として著名であった父に反発し、地道に焼き物の製作を続けている省造は、ある日美しい青磁の壺を焼き上げた。 壺はデパートで売られ、変われ、盗まれ十余年後に思わぬ形で再び省造と対面する。 壺を手にした人々は何を思いどう生きてきたのか。 青い壺が映し出す彼らの人生とは。 美しい壺が見てきた 数々の人生様々な条件が重なったからか、これまでにない見事な青磁の壺を焼きあげた省造は妻と喜びます。 出入りの業者がこの壺を目に留め引き取りたい、と言います。 手元に置いておくか悩んだ省造ですがいつも世話になっているかと、と預けようとします。 しかし「古色を付けてくれ」と言われ何とも言えない心持ちに。 そんな省造を見て、妻は彼が出かけて位いる間に

                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『二木先生 』夏木志朋 (著) |

                              教師が持つもうひとつの顔は 明らかになれば職を失うもの。 生徒は学校内では周りと うまくやれないタイプね。 『二木先生 』 夏木志朋 (著) ポプラ文庫あらすじ内向的で本を好み、周囲から「変わっている子供」と言われてきた田井中。 高校二年生の今では何か発言するたびに馬鹿にされ、自分は地球に放り込まれた異星人であるかのように感じていた。 そんな中、担任の美術教師が大きな秘密を抱えていることを知り、ある取引を持ちかける。 社会からはじき出され、受け入れてもらえない個性を持った教師と生徒が、その生き様をぶつけ合い模索していく。 担任の二木へ取引を持ちかける田井中だが親が離婚し、母親と二人で暮らしている田井中。 内向的で言葉を選んで話しますが、小学生の頃は「変わっている」「子供らしくない」と大人たちから言われ、今では「自己アピールうぜぇ」などとクラスメイトから言われ、馬鹿にされます。 自分は普通の

                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『金の角持つ子どもたち』藤岡 陽子 (著) |

                                『金の角持つ子どもたち』藤岡 陽子 (著)集英社文庫あらすじサッカーのクラブチームに所属していた俊介は、「サッカーをやめる。中学受験のために塾へ通いたい」と両親に打ち明ける。 俊介が日本最難関と言われる中学を目指すのには理由があった。 小学校入学を控えた難聴の妹・美音、今でもギリギリで何とか回っている家計の中、両親は俊介を応援していくことを決意。 俊介は塾に通いはじめ、受験勉強に取り組む。 突然「中学受験する」と言い出した息子に戸惑う家族中学受験に挑む小学六年生の俊介。 第一章は母親目線、第二章は俊介目線、第三章は塾講師の加地目線で描きます。 突然受験をしたいと言い出した俊介に、父親の浩一は渋い顔。 難聴の妹・美音が小学校にあがるタイミング、塾の費用、自分の親が入院することなどを挙げ「俊介のわがままだ」と言います。 母親の菜月は、自分が働いて塾の費用を何とかすること。 そして家族の家計を助

                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『死人の口入れ屋』阿泉 来堂 (著) |

                                  『死人の口入れ屋』阿泉 来堂 (著)ポプラ文庫あらすじ警察を辞め、新たに古物商の阿弥陀堂で働くことになった久瀬宗子。 ここで扱う品物は単なる古物ではなく「忌物(イミモノ)」と呼ばれる、霊魂が取り憑いた物品。 憎しみや恨みを抱えた客にこれらの品を貸し出している。 霊の力を借りて客たちが手に入れたものとは。 霊の憑いた曰く付きの品を貸し出す阿弥陀堂前職の教育係をしてくれていた日下部の紹介で阿弥陀堂の面接へとやってきた宗子。 警察を辞めた理由を社長の阿弥陀に問われ、正直に話します。 強盗犯が入った現場に向かい、同行した先輩の指示に従わず、階段にいた子供を助けようとした結果、先輩が犯人からの攻撃を防ぎきれず怪我を負ってしまったこと。 問題は、その子供はすでに殺されていたという事実。 霊が見える宗子は同じ状況が再び起こることを怖れ、職場を去ったのでした。 阿弥陀堂の商売は、霊が取り憑いた曰く付きの品

                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ぶっ飛びまくるゼウスたち』こざき ゆう (著), 真山 知幸 (著) |

                                    こざき ゆう (著), 真山 知幸 (著), 庄子 大亮 (監修) 実業之日本社 概要ヨーロッパのギリシャで伝えられてきたギリシャ神話。 神様や英雄たちが登場するこの神話には「こんなヘンな神様がいるの?」「そんなあり得ないことしちゃう!?」といった驚きとおもしろさがつまった話がいっぱい!! 本書はそんな神様たちのハチャメチャなエピソードをイラストを交えて楽しく紹介します。 好きな女を手に入れるためなら何でもアリな神様!?ギリシャ神話の中でも一番スゴイ神様とされているゼウス。 全知全能で他の神様とは一線を画す存在。 それなのにメチャ女好きで、ヘラという奥さんがいながらもあちこちの女に手を出しては奥さんに怒られています。 気に入った女・レダを手に入れるために白鳥の姿に変身。 自分をワシに襲わせてレダの同情を引く…って策士だな。 まんまとゼウスの作戦にはまったレダはゼウスを迎え入れ卵を産みます。

                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『月曜日の抹茶カフェ』青山 美智子 (著) |

                                      『月曜日の抹茶カフェ』青山 美智子 (著)宝島社文庫あらすじ桜並木が途切れたところにぽつんとある、小さな店「マーブル・カフェ」。 定休日の月曜日、当日限りの「抹茶カフェ」に。 ツイていないと嘆く携帯ショップの店員、照れ屋で女性と話すのが苦手なために、ぶっきらぼうな対応をしてしまう茶問屋の若旦那、何かと口うるさい祖母のことを苦手に感じている紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将。 一杯の抹茶からつながり広がっていく、東京と京都をつなぐあたたかな物語。 いつもの店の定休日に現れた1日限定抹茶カフェ携帯ショップで働く二十六歳の美保は、正月早々、休みなのに間違えて早番出勤してしまいます。 買い物でもして帰るか、とモールを見てまわりますが狙っていた服は売り切れ。 ファストフード店に寄ればニットにケチャップをこぼす。 新年早々ツイてないと思いつつ、気をとりなおして大好きなカフェで過ごそうと思えば定休日。

                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著) |

                                        え、あの山本店長が? いやな予感しかしないじゃん。 そして最大の被害者はやっぱり あの人、ってことになるのかな? 『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著)ハルキ文庫あらすじ武蔵野書店吉祥寺本店に「あの男」が3年ぶりに戻ってきた。 しかし、山本猛店長は相変わらず人の気持ちや空気を読まず人を苛立たせる天才。 契約社員から正社員として採用された谷原京子はバカ店長に振り回されながらも新人作家の才能に震え、新入りアルバイトの対応に苦労しつつ、怒り、泣き、笑いながら書店員の仕事に全力で取り組んでいく。 あの伝説の店長?が帰ってきた!朝礼は長く、内容は薄く、必要な時には姿が見えなくなる男、山本店長が再び吉祥おじ本店の店長に。 毎日のように山本店長にウザ絡みされる京子はさすがにげんなりし、その理由をたずねたところ「あなたをこの店の店長にするんですよ」と。 そのための教育だという店長に反発する京子。 店

                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『つまらない住宅地のすべての家 』津村 記久子 (著) |

                                          あらすじ横領の罪で逮捕され服役していた女性受刑者が脱獄。 どうやら自分たちの住む地域に向かっているという情報を耳にした付近の住民たちは、協力し交替しながら路地を見張ることに。 派手さのない、一見つまらないようにも感じられるこの事件をきっかけに、それぞれの家族の状況が見えてくると同時に、互いに影響を与え合いちょっとずつ彼らの考え方や行動を変えていく。 逃亡犯をきっかけにご近所さんにつながりが丸川家は母親が家を出て行ったため、父親の明と中学三年生の息子・亮太の二人暮らし。 母親がいないことを近所の人々に気付かれないよう、無人の部屋も窓を開けたりと日々の生活に気を使います。 ある日、二つ隣の県の刑務所から女性受刑者が脱獄し、逃亡中とのニュースが流れます。 逃亡犯はこのあたりの出身らしい、という話を聞いた明は自治会長として、地域の人と協力し見張りをしようと思いつきます。 路地に沿った十軒の家に声を

                                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『Another 2001(上)』綾辻 行人 (著) |

                                            『Another 2001(上)』 綾辻 行人 (著)角川文庫あらすじ密やかに伝えられる夜見山北中学三年三組の『呪い』。 多くの犠牲者が出た1998年度の災厄から三年が経ち、今年新たに三年三組となった生徒たち。 その中には三年前にこのクラスだった見崎鳴を知る少年・比良塚想の姿が。 クラスで起こると伝えられる奇怪な現象に備え、例年に比べ特別な対策を講じたが、彼らに広がる不安と疑心がついに災厄を招いてしまう。 三年三組の悲劇は再び起こるのか実家を出て赤沢の伯母の世話になっている想。 赤沢家のリフォームに伴い、赤沢家の次男である夏彦さんが経営するマンションの一室で、期間限定の一人暮らしをすることに。 想が通う夜見北中の三年三組は部外秘の特殊事情があります。 それは、死者が一人の生徒としてまぎれこむため、生徒の数を合わせる必要がある。 つまり三組の生徒一人を「いないもの」として扱うこと。 自ら立候

                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)』髙田 郁 (著) |

                                              髙田 郁 (著) ハルキ文庫 あらすじ大坂の呉服商「五鈴屋」の江戸店を成功させたい。 そんな思いで、江戸の地で商いを続けてきた幸。 店の存続や身内の裏切りなど数々の困難に出会いながらも『買うての幸い、売っての幸せ』を胸に力を尽くしてきた。 シリーズ番外編となる本作では、五鈴屋を出奔した惣次のその後、真面目な支配人・佐助の恋、老いを自覚し、この先の生き方に悩む小頭役のお竹、そして長いあいだひとすじに幸を思い続ける賢輔の決意の四篇を綴る。 ようやく見つけた自分の生きる場所商才を発揮する妻・幸に愛しさよりも嫉みが上回り、店の大切な金を奪って大坂の町を後にした惣次は江戸へやってきます。 人々の好みも商いの方法も異なる地で、持ち出した金を元手にどう商いを始めるかと考えていた惣次。 馴染みの両替商をたちの悪い客から救ったことをきっかけに、店主の娘の婿となり、両替商井筒屋を継ぎ、三代目保晴となります。

                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『リベンジ』五十嵐 貴久 (著) |

                                                『リベンジ』五十嵐 貴久 (著)幻冬舎文庫あらすじ懲戒免職となり警察を辞めた後、浮気調査専門の興信所に勤めている青木孝子。 二年前、同僚を救うべく十二発の銃弾を撃ち込んだ雨宮リカの死体は行方不明。 再びリカが自分を襲ってくるという恐怖と戦いながら日々を過ごす孝子に、リカらしき女の目撃情報が。 事件に決着をつけるため、京都へと向かった孝子だが。 因縁の二人が再び対決する、シリーズ第八弾。 あの女との対決の時が再び訪れる十二発もの銃弾を使ったことで懲戒免職となった孝子。 恋人をリカに殺され、リカに捕らえられ片目を抉り出された同僚、尚美を救うため、リカへ銃弾を打ち込んだのでした。 現場はリカ以外に二体の死体があり、合計三体が病院へ運ばれたはずですが、病院が受け入れた死体は二体。 現場の刑事、救急隊員や医師たちも混乱の中で記憶が曖昧に。 リカは逃亡し、どこかに潜伏しているのではないか。 警察内部で

                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『御社のチャラ男』絲山 秋子 (著) |

                                                  『御社のチャラ男』絲山 秋子 (著)講談社文庫あらすじ地方都市にあるジョルジュ食品は、オイルやビネガーを取り扱う小さな会社。 社長のコネで四〜五年前に我が社へやってきた三芳部長は、その立ち回りの上手さ、身ぎれいさから社内でひそかに「チャラ男」と呼ばれている。 彼自身の思い、そして周囲の人々から見た彼の姿から社会が、そして自分自身が見えてくる。 お洒落で世渡り上手な「チャラ男」こと三芳部長三芳部長は東京の会社で働いていたところをジョルジュ食品の社長にヘッドハントされて入社。 背は低いけれどいいスーツと時計を身につけていて、見栄っ張りだけれどお洒落でもあります。 中堅の岡野からすれば見習うこともあるかな、という存在。 50代にして中途で会社に入ってきた山田からすれば、勝負してはいけない相手。 総務課の若手女性社員、池田かなこから見た三芳部長は若者を過剰に意識したウザい人物。 高校時代から付き合

                                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『旅の終わりに君がいた』いぬじゅん (著) |

                                                    いぬじゅん (著)実業之日本社文庫 あらすじ季俣埜乃は婚約者に別れを告げられ、仕事も失った。 最後の晩餐を、と考えていると1台のキッチンカーが目に止まる。 「メニューはない」とぶっきらぼうに告げる店主から出された料理は埜乃にとって思い出のある懐かしいもの。 その味に、知らず埜乃は涙を流す。 死を迎える者に最後の食事を提供するキッチンカー「FINE」、そして店主・神代悠翔の思いとは。 『最後の晩餐』をキッチンカーで交際三年半、来年の五月に婚約者の剛と結婚する予定だった埜乃。 しかし突然彼から『全部なかったことにしてほしい』と告げられます。 二人で住む予定だったアパートも、式場も指輪もキャンセルする、と。 実家の兄と義姉に報告するも冷たくあしらわれます。 結婚のために仕事も辞めてしまった埜乃。 剛が他の女性と付き合っていたことも判明し、絶望の淵に立たされた埜乃は己の死を予感します。 最後の食事

                                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『月桃夜』遠田 潤子 (著) 新潮文庫 |

                                                      『月桃夜』遠田 潤子 (著) 新潮文庫あらすじ江戸時代、薩摩の支配下にあった奄美は砂糖を作り納めていた。 働き手は奴隷のような身分であるヤンチュ。 ヤンチュ同士の間に生まれた子供はヒザと呼ばれ、さらに下層の扱いを受ける。 身寄りのないヒザの少年フィエクサは、父を亡くし一人ぼっちになった少女サネンと兄妹の契りを交わす。 二人で手を取り合い、日々の労働をこなす中、老ヤンチュであるアジャと知り合い、フィエクサは碁を学び、その才能を開花させる。 サネンも美しい娘に成長し、薩摩の役人から妾に所望される。 抗うことのできない運命の渦に二人は巻き込まれていく。 奄美に生きる兄妹を待ち受ける運命とは奄美の海でカヤックを漕いでいた茉莉花は島からだいぶ離れたところへ流されてしまいます。 落ち着くために月桃水のスプレーを顔や体にふきつけます。 気がつくと艇首に隻眼の鷲が。 人の言葉を話すこの鷲は、茉莉花の魂が抜

                                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『乱都』天野 純希 (著) |

                                                        様々な武将たちが登場するのだけど 戦う理由はまたそれぞれにあるの。 戦い方は彼らの生き方にも 関係するのね。 『乱都』天野 純希 (著) 文春文庫あらすじ「都には、魔物が住んでおりまする」僧房の寝所へとやってきた男は続けてこうささやく。 「都に巣食う魔物と戦うお覚悟があるならば、ここからお救い申し上げまする」と。 私の心はすでに決まっていた…。 応仁の乱を引き起こした畠山義就から室町幕府最後の将軍となった足利義昭まで、実に百年にわたって続いた戦乱の世を描く。 京の都に魅入られ執着する者、権威にこだわる者。 情報と運と力を駆使して戦乱の世を駆け抜けた七人の男の物語。 それぞれの思いを胸に戦場へ挑む男たち遊女腹と蔑まれてきた畠山義就。 元服した義就の相続に反対する臣下たちによる襲撃を逃れ潜伏した後、兵を引き連れ上洛すると将軍は義就を畠山当主として認めます。 そして反対派の城を次々と落としていき

                                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『まりも日記』真梨幸子 (著) |

                                                          『まりも日記』真梨幸子 (著)講談社文庫あらすじ46歳独身、去年の年収は200万以下。 そんな私は動物を飼うことには慎重になっていたのだが、ある日運命の出会いを果たしてしまった。 それは生後8ヶ月のブリティッシュショートヘアの雌猫。 売れ残っていたため価格が下がり、自分の貯金でも何とか買える…。 「まりも」と名付けた愛猫との満たされた生活が始まると心浮き立つ私。 そしてまりももまた、激動の猫生の幕開けとなったのだった。 猫に魅入られた人間側、そして猫の側、二つの視点から描かれる戦慄のネコミス。 売れない女性作家 猫の虜になる売れない女性作家である私は、バイトや派遣の仕事でギリギリの生活を送っています。 そんな時、ペットショップの雌猫に目を引かれます。 売れ残ったその哀れな様子、下がった価格に「うちの子」として迎え入れることを決意します。 お世話や病院にかかる費用であれよあれよとお金が飛んで

                                                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』C・A・ラーマー (著) |

                                                            C・A・ラーマー (著), 高橋 恭美子 (翻訳) 創元推理文庫 あらすじミステリ好き、なかでもクリスティの大ファンである雑誌編集者のアリシアは、妹のリネットにすすめられミステリ好きの読書会を作り、メンバーを募集。 集まったメンバーは古着ショップのオーナー、医師、主婦、図書館員に博物館学芸員。 アリシアとリネットの姉妹を加え7名でスタートした「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」。 ところが、第二回目の読書会で一人のメンバーが無断欠席。 家にも帰っておらず事件に巻き込まれた可能性もある。 読書会メンバーは会合を重ねながらその行方を捜そうとするが、新たな事件が発生する。 読者会メンバーの失踪とその家族の死アリシアが主催者として発足したマーダー・ミステリ・ブッククラブ。 この読書会メンバーは妹のリネット、古着ショップオーナーのクレア、医者のアンダース、博物館学芸員のペリー、図書館員のミッシー、専

                                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『謎解き広報課』天祢 涼 (著) |

                                                              『謎解き広報課』天祢 涼 (著) 幻冬舎文庫あらすじ東北地方のL県高宝町役場に就職した新藤結子。 町に縁もゆかりもない身でありながら、広報課に配属され、広報誌を担当することに。 毒舌係長、伊達にしごかれつつ町中を駆けまわり取材する結子は、行く先々で事件に巻きこまれる。 テキトーに働くはずだったのに!?地元愛もやる気もないが何とか内定を勝ち取った結子が配属されたのは広報課。 取材や原稿作成はもちろんのこと、何よりこの高宝町のことを知らない自分に何ができるのか…。 そんな結子に懇切丁寧に、しかし毒舌のうえ容赦無く指導するのは上司の伊達係長。 彼のレクチャーと指示のもと最初に向かった取材先は地元防災会の訓練と田村会長へのインタビュー。 若者の参加もあり、防災会の未来は明るいと感じていたところ、田村のほうから「防災会を解散する」と連絡が入ります。 何も問題ないように見えたのに一体何故!? 何よりせ

                                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『卒業のための犯罪プラン』浅瀬 明 (著) |

                                                                学内の食堂や家賃の支払い、 さらには単位までもがポイントで 購入できるの。そのポイントを 稼ぐために商売をしたりアプリを 開発したりと学生たちは頭をひねるのよ。 『卒業のための犯罪プラン』浅瀬 明 (著)宝島社文庫あらすじ大学二年生の降町歩は家庭の事情により、今年度中に卒業せざるを得ない状況になった。 彼の通う「庭大」こと木津川商科大学ではポイント制度が取り入れられており、学内の食堂や家賃の支払い、さらに単位までもがポイントで購入できる。 学生たちはこのポイントを手に入れるため様々な「事業」に取り組む。 歩もポイントを稼ぐために、不正行為によるポイント取得者を摘発する「監査ゼミ」に所属。 ところが調査対象から取引を持ちかけられる。 卒業をかけた「ポイント稼ぎ」の行方は父が亡くなり、学費の工面が厳しくなったため今年度中に卒業しなければならなくなった歩。 卒業に必要な単位を取得するためにはまと

                                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ぎょらん』町田 そのこ (著) |

                                                                  死者が何を願って死んだのかが わかるのか。穏やかな死を迎えたなら 良いけれど、そうじゃない場合は…。 でも残された者には気になる代物 だよなあ。 『ぎょらん』町田 そのこ (著)新潮文庫あらすじ人が死ぬ瞬間強く願ったことが、小さな赤い珠となってこの世に残ると言う。 この「ぎょらん」と呼ばれる珠を噛み潰すと死者の願いが蘇り共有できる。 葬儀会社に勤める青年・朱鷺はこの都市伝説のような珠について調べ続けていた。 死者への後悔を抱えた者たちに、ぎょらんは何を見せ、伝えるのか。 喪失と悔恨の日々を送る遺された者たちの再生を描く物語。 死んだ者の思いがつまった珠を求めて葬儀会社の新人・御船朱鷺は元ひきこもりの青年。 馴れない仕事に四苦八苦しながらも頑張っています。 そんな朱鷺は、以前漫画で読んだ「ぎょらん」の情報を集め続けています。 死者が死ぬ直前に強く願ったことが小さな赤い珠となって現れ、その珠を

                                                                  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『にぎやかな落日』朝倉かすみ (著) |

                                                                    『にぎやかな落日』朝倉かすみ (著)光文社文庫あらすじ八十三歳のおもちさんは北海道で独り暮らしをしている。 東京に住む娘はおもちさんのことを心配して一日に二回電話をしてくれるし、近くに住んでいる息子の嫁のトモちゃんは車で買い物につれていってくれる。 文句を言ったり笑ったりしながら日々を過ごしていたおもちさんだが、何とこのたび入院することに。 人生最後に向かう日々の暮らしと胸の思いを丁寧に描く。 八十三歳、おもちさんの独り暮らしの日々独り暮らしのおもちさんのところに毎日二回、午後1時と午後6時に電話が入ります。 東京に住む娘、ちひろからで「ごはん食べた?」「なにしてたの?」という問いに「ごはん一膳、ペロスケ食べたワ」「朝から動き回ってたからサー」と答えるおもちさん。 すごいね、と相槌する娘の言い方が赤ん坊に対するもののようで、じれったさを感じます。 会話の中でも思い出せない部分があって焦った

                                                                    • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『盗作・高校殺人事件』【新装版】辻 真先 (著) |

                                                                      辻 真先 (著)創元推理文庫 あらすじ一九七X年八月七日、新宿駅の九番線で爆発事件が発生。 事故に巻き込まれた高校二年生の牧薩次は病院へと担ぎ込まれ入院することに。 同様に被害に遭い入院していた同級生、三原恭助、上野武らと意気投合。 退院後に恭助の実家である鬼鍬温泉に、それぞれ彼女を連れて出かけることになった。 しかし、そこで彼らは密室殺人事件に巻き込まれてしまう。 温泉で起こった密室殺人の謎新宿駅で起きた爆発事件の際、ちょうど現場近くのホームにいた薩次は逃げ惑う人々の波に飲まれお尻を負傷。 かけつけてきた同級生、可能キリコには「なんだ生きてたのか」と言われてしまいます。 二人のやりとりに声をかけてきたのは少々ガラの悪い恭助と、眉目秀麗な武。 学年が同じこともあり、盛り上がった彼らは退院後に恭助の実家である鬼鍬温泉へと遊びにいくことに。 そこで起こったのは幽霊騒動。 事故で亡くなったはずの

                                                                      • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『アルモニカ・ディアボリカ』皆川 博子 (著) |

                                                                        皆川 博子 (著)ハヤカワ文庫JA あらすじ18世紀のイギリス、亡き者として生きると言い残し去っていった愛弟子のエド、ナイジェルを思い、解剖医のダニエルは傷ついた心がいまだ回復できずにいた。 一方、残りのメンバーの弟子たちは盲目の判事、ジョンの要請により、犯罪防止のための新聞づくりに励んでいた。 ある日、身元不明の屍体の情報を求める広告依頼が彼らのもとに舞い込む。 屍体に描かれた奇妙な暗号を調べるにつれ、ある人物の意外な過去が明らかになっていく。 天使と見紛う屍体の正体とその過去とは新聞社へやってきたのは逓信大臣・ダッシュウッドの従兄弟でウェスト・ウィカムの管理人、ジャガーズ。 閉鎖されていた白亜の採石場の坑道内で身元不明の屍体が発見されたため、この屍体についての情報を求める広告を新聞に出したいと言うのです。 また現場では天使を見たと発言する者がいること、屍体の胸には「ベツレヘムの子よ、よ

                                                                        • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『ミチルさん、今日も上機嫌』原田 ひ香 (著) |

                                                                          原田 ひ香 (著) 集英社文庫 あらすじ四十五歳のミチルは元夫が残してくれたマンションで独り暮らしをしている。 若い頃からチヤホヤされてきたが、気がつけば付き合っていた男には振られ、パートでいいかと受けた面接では経験がないと…となかなか採用されない。 いきあたりばったりに生きてきた部分もあるが、これからの人生、将来に不安がないわけじゃない。 時代の変化に戸惑うこともあるけれど、めげずに前を向いて歩いていく、そんなミチルの物語。 時代は変わるけれど自分は簡単には変われない夫以外に好きな人ができて離婚したミチル。 その男性とは続かなかったものの、周りには常に異性がいて「美魔女ですね」などと言われることもあったミチルですが、このところ様子が変わってきたと感じます。 交際していた男性から振られたり、すぐ受かるだろうと思ったパートが採用されなかったり。 それでもとりあえず働かねば、と始めたのがポステ

                                                                          • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『映画化決定』友井 羊 (著) |

                                                                            『映画化決定』友井 羊 (著) 集英社文庫あらすじ「きみのマンガ、映画化決定ね!」高校二年生のナオトは、同級生のハルから突然告げられる。 高校入学時からいくつもの賞を取る天才女子高生監督・ハルからの申し出を一度は断ったナオトだが、制作現場に立ち合うことを条件として作品の使用に同意。 小学生の頃に描いたこの作品を超えるためのヒントが映画作りの中にあるかもしれない、と考える。 一方、ハルは大きな秘密を抱えていた。 ハルの映画づくりへの情熱に圧倒されるナオト自分が小学生の頃に描いたマンガをハルに見られ、是非ともこの作品を映画にしたい、と迫られたナオト。 小学生の頃、家を出て行った父親に見せようと思って描いた作品でその頃を思い出してしまうこと、その当時の自分の作品を超えるマンガを未だ描けていないことから映画化を断るナオト。 しかし面白い作品を生み出すハルの手にかかれば、そしてその現場を見れば自分の

                                                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『歌舞伎座の怪紳士 』近藤史恵 (著) |

                                                                              休憩時間中、不在の人の 席にあったペットボトルを すり替えた女性がいたの。 劇が終わるとそのすり替えた 女性は席から動けなくなって… 『歌舞伎座の怪紳士 』近藤史恵 (著) 徳間文庫あらすじ二十七歳の岩井久澄は、会社を辞めてから実家の家事全般と姉が飼いはじめた犬の世話をして暮らしている。 食材と日用品の買い物、犬の散歩以外はほぼ家にいる久澄に、姉の香澄経由で、祖母のしのぶの観劇を代行してくれないか、と頼まれる。 送られてきた歌舞伎座のチケットを手に劇場へ向かう久澄。 休憩時間、あるお客の不審な行動を発見。 何が起こったのか、と考え込んでいると、隣の席の老紳士が「ご気分でも悪いんですか?」と話しかけてきて…。 劇場内で観客の不審な行動を発見職場でハラスメントを受け、会社を辞めた久澄。 実家で家事手伝いをしながらリハビリのような生活を送っています。 そんな久澄のもとに舞い込んできたのは、祖母・

                                                                              • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言猫丸先輩シリーズ』倉知 淳 (著) |

                                                                                『月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言 猫丸先輩シリーズ』倉知 淳 (著) 創元推理文庫 あらすじ小柄で童顔、大きなまん丸飲の目と、ふっさりと垂れた前髪がまゆの下まで下がっている。 だぶだぶの黒い上着を羽織り、しなやかな猫を連想させる猫丸先輩。 彼が現れるところには、不可思議な出来事が。 看板に貼り付けられた謎のメモ、恐怖の写真の理由、友人からもらった意味不明の贈り物、夜毎庭にやってくる異なった顔ぶれの若者たち。 人なつこい様子でするりと人の間に入り込み、巧みな話術で聞くものを惑わす。 と思えば切れ味鋭い推理を披露する猫丸先輩のミステリ。 謎のメモに隠された真相とはほどけた靴紐を結ぼうと腰をかがめた八木沢は、目の前の看板の底面に一枚のメモが貼り付けてあるのを発見。 何気なく手に取り眺めてみましたが、意味のわからないアルファベットの羅列だったため、元の場所に再び貼り付けます。 カフェで仕事をし

                                                                                • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『あずかりやさん 満天の星』大山 淳子 (著) |

                                                                                  『あずかりやさん 満天の星』大山 淳子 (著)ポプラ文庫 あらすじ東京の下町にひっそりと店を構える「あずかりや」。 この店では一日百円でどんなものでも預かってくれる。 目が見えない店主のもとには様々な預かってほしい「もの」を持ったお客たちがやってくる。 やきそばパンを預ける紳士、母子手帳を持ってきた妊婦。 また預けたものを受け取りに来る客や、時には招かざる客も…。 彼らはものと同時に「思い」を預けることで、自分の心の奥深い部分に潜んでいたものを見つけたり、新たな「気づき」を得る。 「もの」からの視点で「あずかりやさん」店主とそのお客たちを描くシリーズ第五弾。 あずかりやさんに強盗が侵入!?ぶっ殺してやる、とつぶやきながら街を歩く男。 この男と常に一緒にいるのがこのわたし、万能ナイフです。 看板のない、店らしき建物の格子戸を開け、中へ入ります。 暗い中を手さぐりで進み、和室の茶箪笥から現金を