白川郷 「結い」 「結い」という言葉がある。辞書を紐解くと、「田植えや、屋根の葺き替えなどを共同作業で行うこと」とある。特に小さな集落や共同体で、大きな労力が必要となる仕事をする時に相互に助け合い、それを成し遂げていく、という精神だ。人間一人の力には限りがある。しかし、それぞれの力を合わせれば、様々なことが可能になる。かつての日本ではこの「相互扶助」が日常的に行われてきた。そこには、縛りや不自由が存在するのもまた確かだが、それ以上に総和で成し遂げられるものは大きくまた貴重なのである。場合によってはこの「結い」の精神なくしては、生活が立ち行かなくなる場合すらあるのである。 富山県の五箇山相倉集落と共に世界遺産に登録されて以来、今や世界的に有名な集落になった「白川郷」にもこの「結い」の精神が昔から受け継がれ、大切に守られてきている。 白川郷は、岐阜県北部の山間部、白川村と荘川村にある合掌造りの