投稿というシグナル 今回取り上げるのは、累計発行部数6100万部、神尾葉子先生の伝説のラブコメ『花より男子』の続編、『花のち晴れ~花男 Next Season~』通称 「花晴れ」だ。 「花晴れ」には、“これぞ王道のマンガ的展開!”という誤解やすれ違いが実に多い。 普通なら、またこのパターンか…と読むのをやめてしまいそうなところだが、先生のマンガは、むしろ逆だ。 読者は、(これはフィクションだ)と認識しつつ、“神尾ワールド”のきらきらした底なし沼へハマっていく。 なぜこんなに素直にハマってしまうのか。 それは、高度な構成力をベースに、キャラクターの個性を最大限に生かしているからに他ならない。 私はよく短歌教室の生徒さんたちに、「お面のような表情のみえない短歌ではなく、たとえば睫毛の長さやシワまで思い浮かんでくるような、一人の人物像がみえてくる短歌を目指しましょう」と言っているのだが、「花晴れ