ジョージ・L・モッセ著『大衆の国民化』は、ナチズムが大衆操作ではなく大衆の合意形成運動のなかで生まれたとして、ファシズム研究の新局面を拓いた1冊です。本書では、ナチズムを、大衆の政治参加に基づく国民主義(ナショナリズム)の極致と捉えて、フランス革命からナチズムに至るまでのシンボルや政治的祭祀の発展をたどり、ドイツにおける国民主義の歴史を読み解いていきます。聖火や整列行進、国民的記念碑や建築などが大衆の政治参加にどのような役割を果たしたか、また体操家や合唱団や教会、さらには労働者組織までがナチズムの政治的祭祀に統合されていく様子を赤裸々に描き出した本書。その著者による「日本語版への序文」を公開します。(翻訳:佐藤卓己・佐藤八寿子) 日本語版への序文 「ヒトラーの成功はどのように説明できるのか?」 この問いは絶えず新しく投げかけられている。ナチ党の権力掌握への「政治」は十分明らかにされたし、そ
ナチズムを国民主義の極致ととらえ、フランス革命以降の国民主義の展開を大衆的儀礼やシンボルから考察した、ファシズム研究の橋頭堡。解説 板橋拓己 シリーズ:ちくま学芸文庫 1,760円(税込) Cコード:0131 整理番号:モ-18-1 刊行日: 2021/01/07 ※発売日は地域・書店によって 前後する場合があります 判型:文庫判 ページ数:464 ISBN:978-4-480-51029-7 JANコード:9784480510297 在庫 問合せ
著者:ジョージ・L. モッセ翻訳:細谷実,海妻径子,小玉亮子出版社:作品社装丁:単行本(337ページ)発売日:2005-03-01 ISBN-10:4861820146 ISBN-13:978-4861820144 内容紹介: "男らしさ"の近現代史。騎士道、ヴィンケルマンによるギリシア礼讃から近代体操の発明、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者迫害を経て、第二次大戦後の大衆文化へ。近代社会の成立から20世紀末までを射程に、ナショナリズムの主要素としての"男らしさ"のイデオロギーを解明した、歴史家モッセの晩年の傑作。 男らしさについてはこれまでにも多くの本があった。しかし、いずれも解体されるべき神話として批判するか、あるいはその表象特徴に注目したものだ。本書は西欧と中欧において、男らしさのステレオタイプがどのように出来上がったかを扱っている。この視点からの論考は珍しく、引用された資料も特色
紹介 「男子たるものかくあるべし」。現代社会で共有される理想の男性像は、どのように成立し、いかにしてナショナリズムの主要素となったか。騎士道精神の継承、ギリシア的美の礼讃、体操の普及と肉体美の称揚、男性同盟と戦争、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者迫害――。近代社会の成立から二〇世紀末までを射程に描く〈男らしさ〉の近現代史。 ジョージ・L・モッセ (ジョージエルモッセ) (著/文) ジョージ・L・モッセ 一九一八年、ベルリンに生まれる。歴史学者、専門はドイツ社会史。三三年第三帝国成立にともないユダヤ人のモッセ一家は国外へ脱出。スイス、フランスを経て英国へ移住。三九年一家で米国へ移住。四六年ハーバード大学で博士号取得。その後ウィスコンシン大学、ヘブライ大学で長く教鞭を執った。九九年没。邦訳書に『大衆の国民化』『ナショナリズムとセクシュアリティ』『フェルキッシュ革命』『英霊』『ユダヤ人の〈
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