性別に関係なく、人間は誰しも「男性性」と「女性性」を内包している。そして外向性や上昇志向が尊ばれ、何事においても結果と成果が重要視される現代社会において、いわゆる「女性性」は軽視されがちだ。だが、不要なものとされているこの要素を取り入れることで、人生はより豊かで生きやすいものになるという。 「女性性」の世界に属する要素 ジェンダーをめぐる現在の議論は分裂している。対立をもたらしている主張はどれも「男性」と「女性」をもっぱら狭く定義しがちで、男性性と女性性に関して、私たちが遺伝的に受け継いできた「元型」と、それを通して現れる「集合的無意識」を考慮していない。 なお、この「元型」という概念は、誰もが生まれ持っている集合的無意識で働く「人類に共通する心の動き方のパターン」のことだ。 この概念は、精神医学・精神分析学者のカール・ユングとポスト・ユング派にとって、ジェンダー、そして文化的ダイナミクス